アドレサンス(EXE:パラレル)
2011/06/27 10:39

昔、兄さんは「鏡の向こう側にはもう一つ世界があるんだ」なんて言って、鏡のこと凄く恐がってたよな。

でも俺は、「鏡の向こう側」に何が有るのか知ってる。幽霊屋敷の入口。この町の誰もが知っていて、でも誰も入ったことの無い(正確には中に入った筈なのに何時の間にか外に放り出されてる)、「幽霊」の住んでる「屋敷」の「入口」になってるんだ。

兄さんはきっと知らないだろうな。だから俺だけの秘密、でもやっぱり兄さんと共有したいや。そう考えながら、俺は兄さんの部屋へ入ろうと、ドアノブを回した。

「兄さ…」

バリィン。

ドア越しに響いた音。何か…砕けた?窓ガラス?それとも−

不安と共にドアを開く。ニッコリ笑う兄さんが見えた。手に持っているのはハンマー、傍らに散っているのは鏡の破片。

「熱斗」

無邪気に笑う兄さんが、…恐い。

「「鏡の向こう側」は恐かったでしょ?」

だから壊したんだ。これでもう、君は僕の知らない所へは行けないよね?

声でない「声」が聞こえた。縋るような、何かを恐れてるような、「声」が。

「……うん」

本当は共有したかった。幽霊屋敷が恐かったわけでも無い。主の「幽霊」だって、本当は淋しくて仕方ない「人間」だった。

でも兄さんがそう言うのなら、俺は此処に居よう。そしてずーっと一緒。

あれだけ恐がってたのに、どうして「鏡の向こう側」を知ってるのか、それは聞かないから−



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いや、「サンドリヨン」をやったなら「アドレサンス」も、と思って…。
こっちは光双子。彩斗兄さんヤンデレに近い…あ、一緒のベッドで寝てるかどうかは想像にお任せで

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