氷が触れたみたい | ナノ








口にキスをすれば、次第に範囲は広がっていく。

口から首もとへ、耳、そして耳の後ろへ

手は服の中に入っていき、自然と求めるように肌に触れていた。
別に気が付いたらとかそういう言いわけをしているわけじゃない。俺だって触りたくて触ってるわけだし自分の意思で手を忍ばせているのは承知している。
ただ俺が言いたいのは、俺の手がコイツの身体を欲している、ということだ。


「ジャイロ…手、冷たい」
「あ、わりい」

冬場は冷える。だから身体も冷たくなって、指先は自由が利かなくなる季節。
けど俺の指はしっかりと俺の意思が働いていて、触りたいものは触るし握りたいものは握れていた。
しかし、やはり触れられた相手からすれば冷たいものが身体につくというのはいただけないものらしい。

可哀想なことをしてしまった。



「ジョニィ、」

愛しいやつの名前を呼んで、その口にキスをした。
吸い付くような、長く深いキスを。
舌を絡めれば、ジョニィは熱くて甘い息をもらし、口内の快楽に溺れていく。



お互い高ぶってきたところで下を離す。
少し名残惜しそうにジョニィはこちらを見つめてくる。
やめてくれ。俺だって同じだ。



「このまま、シても…いい?」

耳元で小声でそう呟けば、くすぐったさで身をよじらせる。



「…うん。いいよ。」


そのままお互い、シーツの海へと身を沈めていくのだ。










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その後はないっていうね笑
20121231