(現パロ)
ケータイのバイブ音が耳元で鳴っていた。
ブブブッという規則的にくり返す音で、俺は目が覚めた。
暗闇の中でチカチカとケータイの背面画面が光っている。
時刻は午後の11時28分。きっと誰もが寝ている時間といっても可笑しくはないだろう。
こんな時間に電話を寄こしてくるヤツなんて、アイツしかいない。
「…………ハイ、…もしもし。」
「あ、ジャイロ?ごめん寝てたでしょ?」
ゴメンというわりに、申し訳なさそうでもないソイツの声を、俺はボーっと聞いていた。
なんとなく聞いていたが、その声が誰のものなのかは頭が知っている。耳が覚えている。
「おまえ…こんな時間に電話とか…非常識だろ…、」
「いつものジャイロなら起きてるかなーって思ったけど…その声だとたぶん寝てたっぽいね。」
「たぶん…じゃねえよ。寝てたっつーの」
「あー、ゴメンゴメン。」
声色からしてそんなに反省はしていなさそうだ。
やっぱコイツは生意気な野郎だ。俺が寝ている可能性だって十分に考えられただろうに。
でもまぁ、用件はだいたい予想がついていた。
コイツのことだから。うん。
「…で?今日はどうしたんだよ、」
「………特にようはないけど、」
でた。コイツの得意な『特にようはない』って言葉。
これをいう日に限ってなにか必ずあるんだよな…。
でもコイツは自分からじゃ絶対言わないから、それを言わせるのが俺の仕事でもある。
「そんなわけねーだろ」
「さみしかったのか?あぁ?」
「う、うるさいなー。ちがうよ…暇だったから…つい…、」
結局用件があるんじゃねーかよ。ま、そんなのいつものことなんだけど。
お前は恥ずかしがり屋だから、すぐには言ってくれないんだよな
そういうところも俺は知っている。
用件をきいて、特にようはないっていって、そこで俺がまたききだして、いつもこの繰り返し。
これがどっかそこらへんの女や知らねーヤツだったら俺もブチ切れてるだろうけど…ジョニイだから許せるわけで。ま、当たり前だけど。
「よし、寂しいならお兄さんが子守唄でも歌ってあげよーか?」
「………いらないよ、別に。別に僕、寝たいわけじゃないし。」
"君と話すために電話したんだから。"
"今日は君の声を聞いていたい"
画面の向こうで、ジャイロが嬉しさでにやけているのを、ジョニイは知らない。
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初ジャイジョニ?かな
ジャイジョニ好きです。大好きです。やっと書けてうれしいです^^
ジャイジョニもこのサイトではほとんど現パロと化しています笑
20121129
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