だれよりも、はやく | ナノ





(学パロ)





屋上に行くと、いつも彼がアタシを待っている。
朝でも、昼休みでも、授業中でも、放課後でも。

たとえ授業をサボっていったとしても、教師たちみたいにアタシを説教したりなんかしない。
母さんみたいにガミガミ怒るなんてことはしないの。

いつも「おはよう」とか言って、アタシを迎えてくれる。



「ウェザー、おはよう!」

今日も屋上に行くと、彼は待っていた。
アタシがどれだけ朝早く学校にきても、彼は必ずアタシよりも先に此処に来ているのだ。
一体何時に学校に来ているんだ。いや、そもそも何時に起きて家を出ているんだ。


そんなアタシの考えはともかく、ウェザーはこっちを振り返って「おはよう」と言ってくれた。
いつもの言葉。いつもの彼。いつもフェンスに寄り掛かって遠くを見つめている彼。

そしてアタシはいつもみたいに、彼の隣に座る。



「ねぇウェザー、アンタ一体何時に学校に来てんの?アタシでさえこんな早く来てるのに…アンタ一体何時に起きてるわけ?」

アタシがいつも思っていたことだ。どんなにアタシが早く来ても、それより先にウェザーがこの屋上に来ている。
一体この男は、どうしてこんな早くに学校にくるのだろうだ。
というか、何をしにこんな早くに来るのだろうか。



「…家にいても暇だから」

「そんな理由!?」


思わずガーンとなってしまう。それもそうだ。まさかそんな理由で朝早く学校に来てるとは思わなかったから。
見当違いの回答すぎてアタシは驚きを隠せない。
いや、別になんでもいいのだ理由なんて。
ウェザーがどんな理由で学校に早く来ようとアタシには関係ないし、そんなのウェザーの勝手だからだ。
しかし、もっと他に理由はなかったのだろうか…。暇で学校にくるというのなら、一体この男は何時に起きているのだろうか。


そんなことを悶々と考えているアタシの隣で、ウェザーはふふっと笑っていた。

どうして笑っているのかアタシは分からない。


「な、なにがおかしいのさ!!」
「ごめんごめん、嘘だってば、そんなの。」
「え?」


なにが嘘だったの?もしかして、さっきアタシが質問した、朝早く理由のこと?



「だって徐倫が寂しがるだろ、俺がいないと」


「…な、!? ……う、うそだ!」
「別にハズレじゃないだろ」


「……そ、そんなの嘘に決まってるよ!」


なにが嘘なの?自分でも言っていてよく分からなくなってきた。
ウェザーの理由が嘘なのか、それともアタシがウェザーが来ないと寂しがるのが嘘なのか。
どっちが嘘なのかはわからないが、でもウェザーに会えない朝は寂しいと思う。いや、きっと寂しいだろう。
いつもウェザーの方が先に来るからわからないけど、たぶん寂しいと思う。


隣では、まだウェザーが笑っていた。一体なにがそんなの面白いのさ。













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ウェザ倫すきだー!
このサイトではウェザ倫はほぼ学パロになると思います
だって管理人がウェザ倫学パロすきだから…!
2012/11/25