何が楽しいんだよ。こんなことして。
アンタは俺の気持ちを弄んでいるのか?俺の気持ちも知らないで。いや知っているはずなんだ。きっと。アンタに対しての俺の気持ちを知っているくせにアンタはこんなことするのかよ。
「アンタって、本当にくずだな」
吐き捨てるように言った俺に余裕の表情を向けるアンタほど、今この瞬間むかつくものはない。それは俺を怒らせるための一つの手なのかもしれないし、あるいはアイツの素からくる癖なのだろう。どっちにしろ腹立たしいことことこの上ない。
「ブロッケンjr、なにをそんなに怒ってるんだ?」
「怒ってなんかいねーよ」
「怒っているだろう」
「違う!!」
否定しようと声を荒げればその男は笑うんだ。しめたしめた、みたいに。俺はいつだって、この男に良いよう遊ばれて手の上で転がされてるんだ。
「カルシウムが足りていないんじゃないか?」
「うっせー。よくあるセリフ使ってんじゃねーよ」
こんなつまらないやり取りをしてる俺たちは一体なんなのだろうか。
師弟?親父を殺した敵?家族?親友?恋人?
今は正義超人同士ということにしておこう。
「お前はもう少し丸くなったらどうなんだ?」
「歳でもとれば、丸くなるんじゃねーのか?わりいけど俺はまだまだ若者なんでな」
このとき、俺の脳裏で、トスカネリの地球球体説が頭をよぎった。
ついに世界中で習ったやつを活かせるときがきたか。
20140225