辺り一面が真っ白だった。
地面も
空も
上も
下も
目の前に見える景色が、全部。
深い雪の地面に、ザクザクと足が侵入していく。一歩ずつ、一歩ずつ。
そこには二人分の足跡が、ずっと続いてきた。
「まるで世界に僕達しかいないみたいだ。」
花京院はボソっと呟いた。
足音のザクザクという音で、あまり聞こえない。
花京院は、あまり聞こえない声で発した。
承太郎に気付かれない声で。
「そんなに二人っきりになりてーのか?」
なんだ、聞かれてたんだ。
僕の努力は無駄に終わったようだ。
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白い世界で、きみと。
20121231
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