虚構の空はもう要らない 若オグマ+幼シーダ(新紋章)
「あなた、あんな酷い事されてたのに泣いてなかったね」
痛いだとか苦しいだとか、 憤怒だとか悲哀だとか そういった感情はひっきり無しに起きては自らの憎しみの色を強くしていっていた。 そしてその憎しみを糧に自らの力にしてきた。こんなことで泣いてたまるかと日々歯を食いしばっていつか解放されるという希望を持っていたから今まで耐えてこれたのだ。
しかしその希望はいとも簡単に自分を見放した。代わりに絶望を与えて。 目は腫れろくに開かないし唇も切れてじんわりと血の味が口内に広がって十字に拷問の様にゆっくりと刻み込まれた傷からはどくどくと鮮やかな赤が流れて両手いっぱいに広げられた腕はがっちりと縄で束縛され手首が青紫に変色してしまって、
痛いだとか苦しいだとか、憤怒だとか悲哀だとか、 そんな感情すら湧かなくなっていたその時、 一度見放された希望を、貴女はまた掴んで私へ引き寄せてくれた。
「泣いてもいいんだよ」 「・・・・・!」 「今まで我慢してきた分、いっぱい泣いて」
優しく抱き寄せる小さな手に身を預ける。
私のこの腕は主を守る為に、 私のこの足は主と共に歩む為に、 私のこの命は主へ捧げる為に、
それだけの為に今、俺はここに存在している。
「ね、オグマ?」
自分の背を優しく撫でるその手はとても暖かった。 自分を優しく包み込む抱擁はひどく暖かかった。 じわりと滲む目はもっと熱かった。
虚構の空はもう要らない
貴方は私に自由な空の下で歩むことを与えてくれた。 だからもう、作られた空は、いらない。
*
OVAの幼いシーダの太陽に照らされながらの「生きて」が鞭撃ちでボロボロになったオグマの希望をまんま表されててほんと・・・スタッフさんGJ・・・若オグマと幼少シーダ萌え・・・
prev | next
|