尋ね返すと


「えーっと、じゃあ良!良に聞きたいんだけど、ここどこだ!?」



『は?加賀の西の茶屋町だけど。』


何だそんな事をという顔で答えられ、固まる。
加賀?西の茶屋町ってあれか?


色壁で有名なあの茶屋町の加賀…………藩?


景色や服装とかみるに、明らかに平成じゃない。


じゃああれか。マジで江戸時代?



今ようやく考えた。



俺、どうしたの?

落ちた→タイムスリップ?→自分じゃない体、知らない知り合い→何これ。


ありえねぇ。


どうすれば良いんだ!?


加賀藩って言ったら…。


「良、今の城主って誰だ。」

『城主って。失礼なやつだな。お館様は…前田斉広様だ。』


マジで。


ガチじゃんよ。


ん?前田?


「良、お前も…『しーっ!何なんだよ、本当に!由良は知ってるのに!』…そういうことなのか?」



どういうことなの。もしかして血縁?にしては普通の格好だよな。


『とにかく、ここは駄目だな。いくぞ!』



そうして俺は、賑やかな村と思い込んでいたら、町だった入口の木の下からようやく一歩を踏み出したのだった。






快晴、夕方くらい?少年の顔はもう濡れていない。

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