にゃあと鳴く
昨日の作業着着物を着て、香春を出る。
『これからは僕の屋敷に住んでもらうからな。』
「いいの?」
『かまわないよ。』
むしろ他の店に泊まれなくなるぞとは言わない。
「ところでさ、俺働きたいんだけど。」
『?別に働かなくても良いじゃないか。』
「それは嫌だよ。できれば大工が良いんだよな。作っているところを見たいし。」
『…わかったよ。』
「ありがと!」
『じゃあ家に着いたら着替えて知り合いの大工の所へいこう。由良もよく知ってる大工だ。』
「え、ややこしくないかそれ。」
『仕方ないだろう。』
朝と昼の間、ちょっとドキドキ…。
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