4-3・紅龍



せっかくの日曜日を壊してくれたおかげで夕方まで修理に費やされた。

もちろんみのむしFIVEも紅龍にお酒を飲むのを止めなかった連帯責任で夕方まで吊されたまま。


「はー、ワシ福の神なんだけど・・・。」

「まだ足場あるだけましですよ。」
鴉丸がはは・・・と笑う。
福の神だけなぜか踏み台を用意され、他の四人はぶらぶらとゆれていた。

「終わったよー。」

百花が大きなカッターナイフを持ってきて福の神から縞、紅龍、あと二人の順に縄を外していった。

「華祝じいちゃん、年長者なんだから気を付けてよね。」

「ふー、久しぶりのみのむし地獄じゃったわい。まったく、こんな目にあえるのは世界中このアパートしかないのー。愉快愉快!」

「まったく、きいてんのー?」

「ハイハイ、次からは無いように気を付けるわぁ・・・。」
縛られた跡がついていないか確認しながら縞が寄ってきた。

『はぁあ、大家さん、この神木って何なわけ?近くにいたら力が使えないんだけど。』

「そうそう・・・ってああ!?腹に縄の跡が!」

寝ている護を頭にのせよろよろする紺とヨレヨレのシャツを捲りショックを受ける鴉丸。


そして・・・。

「紅龍。」 

神木に寄りかかって百花をじっと見ている紅龍。 

「まったく・・・。」

桃は紅龍のそばに行くと神木の盛り上がった根っこにのり、紅龍の頭を撫でた。

「もうしないでね。」

むすっとはしているが、撫でるのを止めないので反省はしているらしい。

百花は紺が『ずるい!俺は!?』と抱きついてくるまで撫で続けた。

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