そしたら呼ばれて
『由良!』
痛い額をさすっているといきなり呼ばれた。
「?だ、誰か呼びました…?」
振り向いたが、見知った人がいないため誰が呼んだかわからない。
ドゲスッ!
「ぎゃん!」
いきなり足にいたみが!
『犬みたいな泣き声だしてるんじゃねーよ!』
よく見たら、俺の鎖骨辺りに頭があった。その頭の持ち主の少年?は明らかに不機嫌な顔でこちらを睨んでいる。
『てっめ!俺が小さいから視界に入らなかったってか!?』
「ええ!?」
違う、いや、そうかもしんないけど!喧嘩嫌い!てか君誰よ!?
俺は混乱してわたわたしながら首を横に振ったり首を傾げたり。
「あ、あの。君はどちら様でいらっしゃいますか?」
ドゲスッ!
攻撃で返事とか。新しいね!
「何なんだよ!俺が何したってんだ!本当に知らないのに!」
ケンケンしながら非難の目を向けると、少年は物凄く悲しい顔をしていて、俺はドキリとした…………
が。
次の瞬間真っ青になってワナワナ震え上がった少年は俺の胸倉掴んでブンブン振りやがりました。
『由良、嘘だろ!?俺がわからないのか!』
「うっへぇ、ちょっやめっ、冗談は好きだが、嘘は嫌いだ!」
ああ、目の前の少年の目が
大きく開き、濡れていく。
快晴、しかし目の前の顔土砂降り。
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