3-4・後日談的な



「もー!折角鮭買ったのに!」


ぷりぷり怒っているのは百花。


力を使い果たし、くたくたで動けない。しかも、何故か紺が後ろから抱っこするように座っているので余計ムカついた。


縞は台所で鮭料理にいそしんでいる。


「(まぁ、いっか。)」

背中から、力が流れてくる。紺が力をわけてくれているらしい。

温かくて安心できた、なんて絶対言わないが。


その晩は二人に何故かちやほやされた百花だった。





〜翌日〜

「ちわ〜〜っす!」

後ろから陽気な、いやかな〜り能天気な挨拶が聞こえて、百花は振り返った。


樋口誠が、髪をツンツンにしてニコニコ笑っている。

なんだこいつは。


昨日のメソメソしていた奴とは大違いだ。

「先輩、前にもあったことあるっすよね!?」

「(うるさい)ないわ。」


無視してさっさと教室に向かって階段を歩いていると、

「何か困ったことがあったら何でも言ってください!じゃあ、また!」

と手を振ってきた。何があったかはしらないが(知りたくもないが)変われたのなら何よりだ。


にや、と黒い少女は笑んで教室に向かった。

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