何か?
目を覚ますと、二つ用意してもらっていた布団は一つ空になっていて。
俺の目の前には俯せに寝転ぶ少年のつむじがあった。
「(何故だ…!)」
できれば夢オチとか願っていたのも吹き飛んで、とりあえず布団からでると、厠を求めて部屋を出た。
襖を閉めて、廊下を歩きだして数歩。
角から現れた少女に悲鳴をあげられました。
『まぁ、由良さん!そんなにはだけて…。』
着物(襦袢)がはだけ、胸元が見えている俺。しかも図体がでかけりゃ若い娘に叫ばれるのも無理はない。
川原さんがとりあえず簡単に直してくれた。
「すみません!俺着物慣れていなくて…。」
『ひぃいい!由良さんが土下座!?私もう駄目なんだわ!』
「ちょっと待って!何故そうなる!?」
早朝、土下座して謝ったら少女に逃げられる。
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