改めまして


川原さんが治部煮を持ってきてくれた。余ったのだと。


※(鴨肉に小麦粉を塗したものと、椎茸や青菜を煮たもの。とろみがある。)


余った、といってもちゃんとした器だったし、暖かかった。


「う、うまい!」


そう言うと、川原さんが目を真ん丸にして「あらま、由良さんがね。」と笑った。




『川原、こいつは今度から由良京介と名乗らせる。やはり頭を強く打ったらしくてな。しばらく私が面倒を見るよ。』

川原「まぁまぁ、何も良様が…まぁ、そういうことなら。うちの娘達が残念がりますねぇ。」

『もとより何もなかったんだろう。今のこいつでは「情を交わした」等と言われて騙されるのがオチだ。』

あ、サラっと失礼な事言いやがったこいつ!暫く撫で撫ではやってやんないぞ。

『理屈なー。』(もっともです。)


…川原さんもかよ!



深夜、少しお腹があったまって眠くなってきた。

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