始まり。
『それから俺は由良に頻繁に会いに行って、たまにひんま(昼ご飯)一緒にしたりしてな。』
この町公認の仲良しさんになったわけだ。
(といっても、兄を慕う弟に見えていたようだが。)
「ふーん…。しかしまぁ、由良って凄い奴だったんだな。」
『まぁな!でもいつも壁を作ってて馴れ合うことは出来なかった…。』
そういうと少し体を浮かせて腰に抱き着き腹に顔を寄てくる。
「くすぐったいって!」
思わず笑うとぐりぐりと頭をこすりつけてくる。
『京介のそういうとこ好き。』
「ありがとよ。」
まるで弟だ。と思った。
さてまぁ、困った。俺は野良猫になる自信がない。手先が器用なのは確かだが、性格が正反対すぎる。
そういうと、良はしばらく考えてニヤリと笑った。
こういうの、14歳がしちゃいけないと思う。
しかも、発した言葉は俺の度肝を抜いた。
『なら、飼い猫になれば良い。』
さらに夜遅く、三味線と太鼓、笑い声はヒートアップ。
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