小説 | ナノ

すこしも惜しくない


「ごきげんよう、ライブラの諸君。これはまた呑気な緊急事態だな」

 ソファから落ちたのか、地面に転がるザップを踏んで、その大きな図体を少しばかり縮こまらせて申し訳なさそうにこちらを見たクラウスにそう言ってのけることなど、造作もない立場にいるのだ。



「ぐぉっ、て、っめ」
「生憎外は雨でな、汚れを取りたかったんだ」
「俺はマットか! アァン!?」
「こんなに喧しいマットはいらないな」

 まだザップが何かを言おうと口を開いたので、退くと同時に蹴り上げてやったら短く叫んでそこにうずくまっていた。
 ああ、運悪く君が何よりも大切にする箇所に当たってしまったようだ。これで少しは控えるといいのだがな。
 思ってもみないことを口に出す変わりにくっと笑って、真っ先に向かっていくべきは、ただひとつ。ここのボス以外以外い、ないのだ。


「さて、どういうことだか説明してもらおうか? 返答次第によってはあれより酷い報いを受けてもらうことになるが」
「まあまあ、物騒な言い方しない。こっちだって嫌がらせで君を呼び出したわけじゃないんだ」
「君には聞いていないが? ああ、それとも君の差し金か。君と相性が悪い女を向かわせてやろうか、それもとびきり、な」
「すまない、スティーブンは悪くないのだ。君を呼びつけたのはこの私、」
「だったらボスらしくしていろ。たかが情報屋に情けない姿を見せるんじゃない」



 軽くクラウスの頭を叩けば、その箇所に触れて困った表情をする。戦闘時はとても一般人には見せられないほどえげつないくせに、こうして情けない姿を見せられるたびに同じことを言っても改善点が見られないのだから、これがそういう性分だとわかっている。が、だからと言って諦めるほど僕の性格はよくできていないのだ。
 まあ、スティーブンのもとに最も苦手とする女を送り付けてやるのもそれはそれで楽しそうというものだが。それこそ、困ってる最中か、疲れた表情を見ないと意味がない。スティーブンはここでの仕事を一番担っているし、普段から疲れた表情をしているものだから、いつもと変わらなかったらそれこそ面白味に欠ける。
 というわけで今回は送り付けてやらないことにしてやるぞ、よかったな。
 そんな表情で見ても、へらりと笑うスティーブンを見た瞬間に前言撤回してやろうか、と思ってしまう僕は悪くない。そんなんだからK・Kにいい顔をされないと言っているんだ。


「で? ここの専属でもないフリーの僕を、わざわざ呼びつけるほどの事態が起きているとは思えないんだが」
「う、うむ…実は、先程一戦を終えたところなのだが、体調が気になる者が」
「クラウス、僕だって暇じゃない。簡潔に言え」
「レオ。レオナルド・ウォッチだ」
「ど…どうも…」
「…ああ、噂の新人か。これはこれは」




 クラウス以上に腰を低くして申し訳なさそうに僕を見るのは、なるほど。あのスティーブンが少年と呼ぶに相応しい風貌をしている。傍らには猿。当然だが、ザップとは違ってかわいらしい。とてもこのライブラに似つかわしくないとはいえ、あの神々の義眼の持ち主だというのだから、それなりにうまくやっているのだろう。少なくとも今、ここに生きている、という意味では。
 僕の情報屋としての能力は、一瞬で相手の特徴を見極めることにある。外面のいい笑顔を向け、目が合った瞬間に判断する。それから心を探るのは、何気ない会話を楽しむ振りをしてからでも遅くはないのだ。
 仕事仲間には使わないというのが僕の中でのルールではあるが、まだ彼を仲間と認める以前での段階だ。というより、こんなの僕が視るまでもないことだった。
 彼の身体には外傷どころか掠り傷ひとつ見当たらなければ、その表情から体調不良がうかがえるわけでもない。ということは、だ。




「呪いの類いか」
「現時点で問題はないのだが、何かあった時にと思ってのことで…」
「ある程度の危険と隣り合わせの僕なら問題ないと踏んだか。僕はいつから便利屋になったんだ?」
「少年ひとりでは何かあった時に困るんだよ。ザップに任せるという手もなくはないんだが、」
「よくないな。衛生面も、教育上も」
「だろう? だから、君に頼めたら俺もゆっくり休めるんだけどなあ」

 何が休める、だ。プライベートの振りをして、身体を使い独自に仕事をこないしているくせに。
 今日が初対面というものの、ザップのことを考えると少しばかりの同情は免れない。かといって、僕を過信しすぎではないのか。僕は君たちと違って、ここで普通に生活を送れるほどの耐性ぐらいしか持ち合わせていないということを、そろそろわかってくれてもいい頃合いだと思うんだがな。


「何かあった時、報酬は上乗せしてもらうぞ。何もなかったとしても基本報酬はいただくことになるが?」
「ああ、勿論だ。君のもとなら安心だ」
「結構。話は以上だな? 僕も暇じゃないんだ。おい、そこの君。レオナルド、と言ったか」
「は、はいっ!?」
「聞いての通りだ。少しの間になると思うが、よろしく。…ああ、悪いが小さい君の友達は連れて行けないな」
「了解した。その間、ソニックは私が預かろう」

 現時点では健康そのものだが、何か起こってからだと厄介だ。犠牲となる想定は少ないほうがいい。もしも何らかのことが起きて、それを鎮めるために多少手荒な手は使わなければいけないかもしれない。その時に邪魔でもされたら、たまったものではない。
 レオナルドが言い聞かせるために説明をして、どうにか話はついたらしい。人間の言葉が理解できるとは信じがたいことではあるが、あの音速猿なのだから他の動物より頭はいいのだろう。少なくともまだ床に転がっている、褐色の猿人間よりは、な。
 レオナルドが僕を見上げたその瞬間、僕も立ち上がって背中を向ける。真っ先に足を進めるのは、ここへ入るために使った扉だ。
 察しがいいのか、僕が何も言わずとも後ろを慌てた様子ではあるが追ってくるレオナルドに感心した。ザップほど頭が悪いわけではないらしい。
 なるほど、察しのいい奴は嫌いじゃないぞ。
 決して振り返ることなく、密かに笑って見せた。




「着いたぞ。ここだ」
「結構離れてるんすね…」
「ライブラ専属というわけでもないからな。適当に座っててくれ、飲み物を持ってくる」
「あっ、すみません」
「これも仕事に含まれている、気にするな。今のうちに食べたいものでも考えていろ」


 自分の部屋に、他人を招き入れるのはいつぶりのことだろうか。仕事柄、気軽に他人を呼べるわけでもないので、数年振りであることは間違いないのだが。その数年振りが初対面の新人であるこの状況の何と不思議なことか。
 大事な書類は自室に仕舞ってあるし、ザップのように野蛮な男でもないだろう。そこを漁られる心配はない。まあ、あれぐらいの相手なら造作もないことだしな。
 神々の義眼とやらを使われたら僕だってどうなるかわからないが、それはそれで少し気になるというものだ。彼の性格上、僕に何かしでかそうなんて考えすらないのだろうが。
 いつから使ってないものかわからない来客用のカップを洗ってから、自分のカップとそれにコーヒーを注ぐ。…ミルクとシュガーはまだ残りがあるものの、いつのものかわからないし新しいものを出してやるか。守るべき人間を僕の手でどうにかしてしまっては、それこそ面倒だ。



「コーヒーしかなくて悪いな。ミルクとシュガーはご自由に」
「あっ、わざわざすいません。いただきます」
「ん。それで今後のことだが…」

 レオナルドがミルクとシュガーを入れている間に、本題に入る。まあ本題と言っても、たとえばレオナルドが自我を失うほどのことが起こった時に、多少手荒な行動を取らせてもらう可能性がある、というだけの話なんだが。
 レオナルドは頷きながら返事をしているが、ミルクとシュガーをすでに混ぜたコーヒーを一口啜って、もう一本シュガーを足していた。…予想を裏切らない甘党だな。


「呪いをかけられたかもしれない、と言っていたな」
「は、はあ。クラウスさんに名前を呼ばれて、煙みたいなものを吸い込んじゃって咳き込んだんですけど、それ以外は特に何も」
「まあ、心配性なクラウスのことだ。過保護ってこともあるが、あいつは余計なものも引き連れてくるからな」

 …その余計なものを自ら退治できるのはクラウスぐらいであって、他の限りなく一般人に近い人類はそうでもないのだと、危惧してのことかもしれないしな。
 あんな大きい図体をしておいて、胃に穴が開きそうなほど仲間のことを心配するときたものだ。
 聞いた話によれば、レオナルドは何度か災難に見舞われている…というか、巻き込まれているようだし「そんなに心配してくれなくてもいいのに」というレオナルドの言葉も最もだ。が、君の外見が余計にそうさせているというのは、言わないほうがいいだろうな。



「まあ、とにかく自分の家と思って楽にしてくれ。何もないが」
「あっ、いえ、そんな、っ」
「おっと。危ないところだったな」
「す…すみませ…」
「…レオナルド?」

 レオナルドの小さな手から滑り落ちていくカップにいち早く反応できたのは、僕が自分のカップをテーブルに置いていたからこそだった。
 カップが割れるのも部屋を掃除するのも別に苦じゃない。火傷でもされるよりマシだ、意外とドジなのか。その点を踏まえてこれまで以上に気を付けて見ることとしよう。
 とりあえず大丈夫か、と声を掛けようとして、その異変に気付いた。頭を抱えるようにうずくまっただけでも様子がおかしいのはわかったが、近付くと更に小刻みに震えていた。耳は真っ赤になって、熱を持っている。
 …まさか、こんなに早く呪いの類いがくるとはな。まったくその手の情報がないわけではないが、それを解決できるかどうかはまた別だぞ。



「触るぞ。立てるか?」
「うっ…あ…」
「力を抜け。僕に身を預けろ。…そう、上手だ」
「うぐ、あっ…」
「…これは…驚いたな」


 かなり苦しんでいるレオナルドをどうにかベッドに横たわらせて、暴れるように動くその腕を掴んで纏める。
 …いくら細身とはいえ、これだけ痛がっているとかなり力も出て面倒だな。大人しくしてくれそうにもないし、最終手段としては急所を掴んで動きを止める、という手はあるのだがなるべく使ってやりたくない。まだ危害を加えられたわけでもないしな。
 そう思って特に痛みを訴えているであろう頭部に目を向けて、思わず見開いた。…耳だ。耳が生えているのだ。真っ赤になった耳ではなく、もっと上に、人間のものとは違う毛の生えた、わかりやすく言えば、所謂猫耳というやつが。
 それに触れた途端声を上げたが、激痛というほどのことはないらしい。ただ触られるのは嫌な感触らしく、動きが少し止まった。
 本人にとっては嫌なのだろうが、調べてみないことにはしょうがない。耳に触れたまま、ぐるんとその身体をうつぶせにさせる。…やっぱり、尻尾も生えている。まるで別の意思を持った生き物のように動くそれを逆の手で掴めば、耳がぺたんと閉じる。尻尾を触られると弱くなるのは、そこら辺の野良猫と変わらないらしい。
 つまり、レオナルドはあくまで人の形を保ったまま、猫へとなってしまったのだ。




「レオナルド。喋れるか?」
「う…っ、は、にゃ」
「…言語にまで影響があるのか。タチの悪い呪いだな」
「う、うう」
「泣かなくていい。仕事はきっちりこなす男だぜ、僕は」
「…ん、」

 涙を溜めて今にも泣きそうなレオナルドに笑いかけてやれば、すりすりとその身体を押し付けるように身を寄せてきた。…ああ、これは本格的に猫化が進んでしまっているな。
 こうやって頭を撫でてやっているうちは大人しいが、無限にそうしているわけにもいかない。現時点では、何の解決にも至っていないのだ。
 対処法を調べようにも、この部屋にそれを調べる術もない。奥の部屋に行けばそれは可能だが、ここまでべったりとくっついてしまったレオナルドを連れて行くのは無理に等しい。たとえレオナルドが細身であっても、だ。
 …というか、ものの数分でここまで猫化が進んでしまったレオナルドに二足歩行ができるのだろうか。もしノーだった場合、とてもおぶっていけるほどの力はないぞ、僕は。
 強く出た手前、ライブラに頼るわけにはいかない。クラウスが心配するのは勿論、猫のように鳴くレオナルドの声を聞かれて誤解されてしまっては面倒極まりない。その誤解を解く時間も今は惜しくなるはずだ。



「ん、にゃ」
「ん? どうした?」
「にゃあー」
「こら、そんな押し付け…て…」
「なあー」
「…そうか。発情期だな、ちょうど今は」



 先程よりやたらと身体は押し付けてくるわ、甘えるように鳴くわ、ずいぶん顕著になったと思ったら。言いたくはないが、当たってるしな。
 もしかしたら、僕のことを同じ猫だとでも思い込んでいるのだろうか。いや、レオナルドも猫ではないが今は思い込んでいる前提での話だ。かといって、さすがに猫プレイに付き合ってやれるほど僕は人間を捨てていない。
 …いや、待てよ。もしかしてこれで発散してやったら、少しは退化に近付けるんじゃないのか?
 確証があるわけではないが、試してみる価値はあるな。何も僕が雌猫にならなくとも、発散してやれればいいのだ。
 自我がない、つまり記憶がないようなレオナルドにこんなことをするのは少々気が引けるが、何かあった時のことは予め言ってあったはずだ。恨むならライブラを恨んでくれ、僕にその筋合いはない。
 不思議そうに首を傾げるその仕草に罪悪感が生まれるが、今から楽しいことをするからな、という笑顔で誤魔化す。これでもし胃を痛めようものなら、ことが終わって治療費を別に請求させてもらうからな。


「…ガッチガチだな」
「?」
「触るぞ、って…言ってもわからないのか」

 レオナルドがはいているズボンを下ろす前から目視でわかってはいたが、こうして見てみると下着の上からでもわかるほど反応している。半分とかではなく、完全に。
 もうここまできて後には引けない。最後の砦とも言えるその下着を剥ぎ取って、レオナルドのそれに手を伸ばす。鳴き声が小刻みになったから、感じてはいるんだろう。嫌がる様子もない。
 仕事でまったくこういう経験がないわけではないが、さすがにこの街でも猫化した男の相手をするのははじめてだぞ。…扱くだけで、おさまってくれればいいんだけど。
 触れたその手を上下に動かせば、だんだんとそこが粘りを帯びてくる。鳴き声は猫なんだけど、発情期の猫の鳴き声って人間の赤ん坊に近いんだよな。罪悪感が消えないのは同じことだが。
 少し動きを強めただけで、あっけなく達してしまった。発情期の状態になってるはずだから、感じやすくなっているのかもしれない。…さて。




「ん、」
「まだ物足りないのか? さすがにこれ以上は解さないと、」
「んー」
「…入れたい、のか」



 ゆらゆらと腰を動かすからこれ以上は身体の負担を少しでも減らすために、と思っていたのだが。そうだよな、君も男だったな。そりゃ入れられるより入れたいに決まっている。
 男との経験は片手で数えられる程度だが、ある。でも、それはどうしてもの時にしかやらないわけで。今がそのどうしてもの時かと問われれば、微妙なところである。
 ゴムはある。備品もある。後処理は自分でできる。必要なのは、僕にとってレオナルドを許せる心だけだった。

「…ま、君ならいいか」
「?」
「今から、もっと楽しいことをしてやるってことさ。…ちょっと待ってろ」



 ベッドのすぐ脇にある棚からローションを取り出し、下着ごとズボンを脱いだ自分のそれを反応させる。さすがに僕だって、無反応のままやられるほどマゾではない。
 レオナルドはそれをまじまじと、物珍しそうに眺めていた。まあ、される時はいつだって自覚がないからな。
 興味津々なのか、レオナルドが距離を縮めてくる。ちょっと待ってろ、そう言おうとした言葉は出なかった。
 近付いたレオナルドが、舐めたのだ。僕の顔を。舌で。猫になっている今、それは不思議でも何でもないことだけど。これは、どちらかというと、


「く、くくっ…まるで子猫だな」
「う?」
「いや、いいさ。お前の好きにするといい」

 …まあ、レオナルドなりにご奉仕してくれようと考えているのだろう。ちょっとレオナルドの性癖を見たようで、思わず笑ってしまった。
 普通ならここで、これを舐めるべきだと思うのに。飽きもせずに、僕の顔をひたすら舐め続けている。
 気持ち悪くないと言えば嘘になるが、レオナルドがこれで満足できるのであれば我慢できる範囲内だ。その間に僕はできる準備をしておくさ。




「起きた時の顔が楽しみだな、レオナルド?」

 そう囁いた時の僕の表情がどんなものだったのか、それを知るのはこの時のレオナルドだけなんだから、な。




「…ああ、起きたか。おはよう、レオナルド」
「おっ、おれっ、あ、あのっ、すみまっ、あっ、あんな…!」
「何だ、その様子だと記憶はあるのか。つまらないな」
「えっ…!?」
「…うん、耳も尻尾も消えてる。朝食を作ったから、それを一緒に食べたら出よう。送ってやるよ」

 翌朝。コーヒーの香りで目覚めたのか、目を合わせるなり顔を青くさせたり赤くさせたりしどろもどろになるレオナルドを見て噴き出さなかった僕を褒めて欲しい。
 驚くレオナルドをよそに、簡単なボディチェックをして、元通りの身体に戻ったのだと判断できた。あれに持続性はなかったようだ。
 腹、減ってるだろう。昨日はよく動いたからな…色々と。
 色々と、を強調して言ってやれば、ぽかんと間抜けに口を半開きにさせた後、その顔を真っ赤に染めながら小声ですみませんと謝ったレオナルドに思わず声を出して笑う。
 恥ずかしすぎたのか、うう、と声をもらすレオナルドは涙目だ。



「ああ、昨日もそんな声で鳴いていたな」
「っ!?」
「冗談だ。冷める前に、一緒に朝食を取ろう」
「…はい、」
「ああ、それとひとつ。これだけは言わせてもらう」

 大袈裟と言えるほど狼狽えるレオナルドは、すっかり気を小さくしてしまったらしい。まあ、からかいすぎた気もするがこっちは自分の身を犠牲にしてるんだ。それと朝食でチャラってところだろう。
 それほど追い詰めるような表情を見せたつもりはないのだが、今は何を言っても逆効果かもしれない。
 ここまで驚いているのなら、今更どんなに驚くことを言ったってたいしたことはないだろう。
 だから僕は、わざと気配を消してレオナルドの耳元で囁いた。




「また同じことがしたかったら、いつでも来い。…今度はありのままの君で、な」

 耳を押さえて真っ赤になるレオナルドに、僕が笑い飛ばすまで、あと数秒もかからないのだった。





fin.



prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -