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派生





「本当に淫乱だね、名は」

視界が上下に揺れている。

「あ…っ、は…!や、です…っ」

ずるりとナカを滑って身体の中身を押し上げられる感触に身震いした。先輩は震えるわたしの身体を正面から抱きすくめて、片足を持ち上げる手に力を込める。

「嘘つき」
「や、ぁあっ、あっ、あ!」

ずくっ、と先輩の大きく張り詰めたそれがわたしの中に何度も入り込んでくる。それが奥に当たる度に気持ち良さからぎゅうっと締め付けてしまって、先輩を喜ばせた。目前にある先輩の額には汗が滲んで、吐き出す息さえも壮絶な色気を含んでいる。先輩はずるい。

「家でしたときはこんなに締まらなかったのに、ね…っ」
「や、ちが…っ、あぁ…!」
「はぁ…っ、きもち…」
「も、立て、ませ…っ」
「しょうがないな…じゃあ首に腕を回して」

幸村先輩は背中に回していたわたしの片手を肩に回させ、もう片方の脚を持ち上げながらわたしを壁に押し付けた。

「っあぁ!」
「声が大きいよ」

両足が宙に浮く恐怖感と、突き上げる快感に視界が白く弾ける。
先輩は煩いわたしの口を右肩できつく塞ぐと、がつがつと腰をぶつけてきた。

「んっ、んんーっ!」
「は…っ、好きだろ、ここ…!」

きぬ擦れの音といやらしい水音と壁が軋む音、全てが遠く聞こえる。不意に塞がれていた口を解放されて、肺に酸素を取り込むと重たいため息が出てきた。

「イけそう?」
「や…、いや、です…っ!あぁっ!」
「そう」

張り出た亀頭が強く締まるナカを引っ掻いて、気持ち良さに飛びそうになる意識に必死で捕まる。イったらまたこんな場所で寝てしまう。寝てしまったら、また校内をお姫様だっこで連れられてそのまま家に送り届けられてしまう。家は親が働いていて居ないから良いけれど、翌日の先生の目がひどくいたたまれない。だから嫌だって言ってるのに。

「あっ、イ…、く…っ」
「フフ…変態だね…、いいよ」













先輩は少しだけ息を詰めて、股をぴったりくっつけたまま擦り上げた。脚を伝う体液がぽたりと床に垂れて溜まる。わたしは構わずそこに座り込んだ。
暗くなっていく視界の隅に口角の上がった先輩の薄い唇を映しながら、わたしはゆっくりと息を吐いた。

――…自分のバカ。そう思ったのを最期に、意識がわたしから離れていった。

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テーマ「人外ファンタジー」
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