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「つ、使って、みん?」

顔を赤くしてたどたどしく言う謙也を本気でアホだと思った。頭はわたしよりええはずやねんけど、考えることが大変残念である。
わたしは謙也の手にある可愛いピンク色をしたグロテスクな物体に眼を向けて、すぐ反らした。そんなん何処で調達してん。聞くに白石から、らしかった。あいついつかしばいたる。

「…良い言うと思うん?」
「全く思わん」
「ほな、しまって」

謙也はしゅーんとした面持ちでそれを枕の下へ押し込むと、わたしをベッドへ沈めて「名がくたくたんなったら使うわ…」と恐ろしいことを言った。どうやらわたしがどうあっても使う気らしい。

「た、性悪いわ!」
「ほな今使てええ?」

ずる、と枕からバイブを引っこ抜くとそれに絡んでアナルバイブらしき物体も一緒に出て来た。増え、とる…!?謙也は「あ」と言ってそれも取り出すと「ついでにこれも」とお得意の笑顔で言い放った。謙也くんてかわええよなー。クラスの女子の会話が悩内を巡る。

「ええわけないやろ!」






わたしってなんて甘いんやろ。自分のアホさに涙が出て来た。半分は痛みによる涙だけど。

「っあ、ああ…!ひ、」
「うわ、やらし…」

ぶるぶると震えるバイブの下で謙也はアナルバイブ片手にわたしのアナルと格闘している。どうやらなかなか入っていかないらしい。ローションまみれでべたべたになった下半身は一刻も早く拭きたいという気持ちを掻き立てる。

「…っや、これ、抜け…!」

わたしがバイブに手を掛けると謙也はわたしの手ごとバイブを掴んで一気にぎりぎりまで引き抜いた。抜いてはくれないのか、なんて呑気に思っていたら急に奥まで突っ込まれて、背筋に何か這い上がるみたいな快感にぞくぞくした。

「っや、あああぁっ!」

バイブから伸びる細い棒みたいなものがクリトリスを容赦なく刺激して、頭がおかしくなってしまう。泣いても動いても機械だからどうにもならなくてただ喘ぐしかできない。こんなみっともないところを謙也に見られてるんだと思ったらすごく辛くなってきて涙が止まらなくなった。

「けん、や…っ見んといて…っ」
「ぐちゅぐちゅやな…」

溢れてきた愛液がアナルまで垂れて、さっきまで触られていたせいかそれだけで身体が震える。謙也はそんなわたしにお構い無しにバイブをごりごりと襞に押し付けてきた。

「っ、ああ!、そこ、あかん…っ…いやや…っ」
「ここ、気持ちええの?」

謙也はわたしの頭を撫でながら同じところにぐりぐりとバイブを擦りつける。独特の機械音の音量が少し増えて、中への刺激が更に強くなった。

「あ、ぁあっ!」
「震えとる…」

わたしのお腹を緩く押して振動を確かめる謙也のせいで更に刺激が伝わって、気持ち良いけどなんか辛い。

「ふ、あぁ…っ、」
「ちょお、我慢な、」
「え?…っひ、ああぁっ!」

急にぬるぬるのアナルバイブが中に突っ込まれて、膣とはまた違う感覚に身体ががくがく震えた。出口の辺りに排泄にも似た不思議な快感が走る。
このままおかしくなってしまうんじゃないかという恐怖に涙が出てくる。謙也はわたしのおでこを撫でた後瞼にキスをして、小さい子をあやすみたいに「よしよし」と言った。

「や、いややぁ…っ、抜い」
「ん?」
「な、なん…」
「白石から電話や…っと、もしもーし」
「は!?」

謙也は一番うるさいバイブの電源を落として引き抜くと、アナルバイブの方の電源を入れてずるずると動かした。

「あ、あ…っんん」
「…おん、せやけど………あー、せやんなぁ…でも…」

電話を肩と耳で挟んで棚のローションを取ると、アナルの方にそれを足してぐちゅぐちゅという音が余計ひどくなった。携帯の向こうから微かに聞こえる白石の声に、こっちの音も聞こえてるんじゃないかという焦りが出る。だけど無造作に動かされるバイブが気持ち良かったり痛かったりして声が抑えられない。

「…っやめて、けんや…!」
「今?おるけど…」
「けん…っあ、あっ」
「代わる?」
「ちょ…、え…っ?」

差し出された携帯には白石蔵ノ介と表示されていて、代わる?というのはどうやらわたしに言っているらしい。この状況で?馬鹿かこいつ。

「っざ、けんな…!」
「白石ー?名嫌やって……えぇー?せやけどなあ…」
「やだ…っあ、抜い…」
「名、」

ぴと、と冷たい携帯が耳に当てられる。当然それは通話中で、さっきの謙也の反応からして白石からの提案というのは明白だ。

「しね…!」
『おー怖』

ふざけたような白石の声が耳に入ってきていらいらする。そういえばこれ、白石から貰ったやつやっけ。中で震えるバイブを感じながら思った。むかつく。

「ほんま、何なん…っ」
『どう?感想は』
「最っ悪!っあ、」
『…』
「やめ…」
『…今、真っ最中なん?』
「な、え…?」

白石の今更すぎる疑問に意味が分からず謙也を見るとへら〜っと笑ってごまかされた。え?

「ん、っしら、いし…?」
『へぇ、今使てるん?ちゅうか謙也もやるなあ』

つぷつぷ、とアナルバイブが更に奥まで押し込まれて振動が強くなって、白石と会話するだけの頭が回らない。

「アナルってめっちゃえろいんやなあ…」
「っ、や、あっ、ぁ」
『どや、気に入ってくれた?』
「やぁ…いらん、っ切る…!」
『声に力入ってへんけど』
「いやや、いや、あぁっ!」

謙也が前に乗り出したせいで、ぐ、と脚を大きく開かされて中への振動が伝わりやすくなった。

「名、あんまし白石にやらしい声聞かせんといてや…」
「そん、なん…はぁ、あっ」

謙也はわたしの肩に携帯を置くと自分のズボンとトランクスを脱いで、反り上がって赤黒く勃起するそれを股に押し付けた。まだバイブ入ってるっちゅーに、そのまま挿れるつもりらしい。

「…っあ、ああ!」

さっきまで散々弄られてたそこはいとも簡単にちんこを飲み込んで、中を擦られる。やっぱバイブなんかより断然ええ。不意に視界に入ってきた携帯のディスプレイは通話が切られとって、少しほっとした。

「名、ええ…っ?」
「ん、すき…っ、あ、はぁ…っ」

どくどくと脈を打つそれにどうしようもなく興奮して腰を動かすと、アナルの方の刺激まで強くなって訳が分からない。

「やば、これ…っ」
「あっ、あ、んっ」
「中、めっちゃ振動、しとる、な…っはぁ、ええよ名…っ」

にゅる、と中を滑っていく熱に恥ずかしい声が止まらない。目尻から滲んできた涙を謙也が拭ってくれて、そのまま首に腕を絡めた。肌と肌が密着すると心臓の音がはっきり聞こえて安心する。

「あ、ふ、…っだめ、ぁんっ」
「ん…っ出る…」
「あっあっ…ん、けん、やっ」

バイブの音に混ざってぬちゅ、ぬちゅ、といやらしい音がして、なんかめっちゃやらしいことをしてるんやないかって今更思った。お尻の穴も前の穴もぬるぬるして恥ずかしい。そのうち腰の動きがだんだん早くなってきて、中がきゅんきゅんした。ぶるぶると身体が変に震えて、もうイきそう。

「あっ、ふ、だめ、っひぁ!」
「ん、イく…っ?」
「やだ、そこやだ…ああぁっ!」
「は、…嘘ばっか、やな」

ずる、とお尻のが抜かれた後謙也のも引き抜かれて、太ももとお腹に白濁の液体がいっぱいかかった。まだ目の前がちかちかして、ぼーってする。

「はぁ、はぁ…っ」
「イけた?名」
「ん…聞かんで…」

顔を枕に埋めて謙也から目線を反らすと後ろから抱きしめられて、何故かお尻を撫でられた。

「……セクハラ?」
「ちゃうわ!い、痛かったんかな思て…穴んとこ赤なっとるし…」
「ひ、広、げんな…っ」

謙也は軽く笑って流して、携帯を手に取った。そんな謙也を見ながらふと頭に浮かんだのが、

「……アナルバイブなら謙也も使えるやんなあ」
「え、」
「ちゅーか謙也のが気持ち良うなれるんとちゃう?」
「や、遠慮しとくわ」
「なあ、もっかいしよ」
「待…っ」

謙也くんてかわええよなー。クラスの女子の会話が今一度悩内を巡る。うんうん。その通りやな。

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