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の続き




はじめて名を抱いてからもう2週間が経つ。俺は人より性欲が溜まらないからか特に思うことはなかったが昨日の夜、勃起した性器に手を伸ばしてふと気が付いた。俺達は付き合っているのだろうか。
付き合っていると思っていた。だけど彼女は俺の感情を受け取ることについて非常に後ろ向きである。
ごしごしと虚しく膨らむ性器を擦りながら名を思い出す。オナニーをしているせいか、真っ先に浮かんだ名の顔が情事中のものであることに罪悪感を覚えた。しかし手は止まらない。次にぬるぬるで気持ち良かった名の中を思い出した。明日聞こう。聞いて、それから、抱きたい。
飛び出てくる精液をティッシュで押さえて、丸めてごみ箱へ投げると僅かに外れて床へ落ちた。拾いに行くだけの気力は無い。





「名、」

保健室に入ると、あの日俺達が初めて繋がったソファーで名は静かに寝息を立てている。先生はいない。誰かあの人に職務放棄をするなと呼び掛ける人間はいないのかと思いながらも、俺達生徒としては有り難い限りだ。それにいざとなれば謙也や保険委員の白石も居る。問題は無い。

「名ー起きてくれんと寂しか」
「ん、」
「名?」
「んー…、起きたよ…せんせ…」
「先生じゃなか」

ふに、と柔らかい頬っぺたを軽く抓ってやるとぺし、と払われた。地味に傷付く。気を取り直して名に「眠い?」と聞くとこくりと頷いた彼女はまたソファに沈んだ。そこで気が付く、彼女はブラもボタンもしていないことを。
恐らく寝苦しいからだろう、セーラーの隠しボタンは申し訳程度に重なっているだけである。

「無防備すぎるけん、襲われっとよ名」
「ん」
「名、」
「ん」
「あそこにトトロおるったい」
「ん」
「あそこにゴキブリが…」
「ん…」

いつもなら泣きわめいて駆除を訴える名は眠いからか肯定しかしない。おもしろか。何か面白い質問をしなくては、何か。
しかし柔らかそうな白い肌にどきどきして気が削がれてしまう。2週間前を思い出したら急にむらむらして止まらなくなる。

「…俺とえっちなことせんね」
「ん」
「誘ったのはそっちやけん、俺のせいじゃなかばい。」
「あ…」

指で胸の間をなぞっていくとぴく、と身体を震わせる名の瞳はうとうとと閉じかけている。起こしてやりたくてきゅっと乳首を摘んでやるとさっきよりも少し大きく反応した。

「名俺のこと好き?」
「すきぃ…っ」

寝ぼけてる相手に、まともに思考できていない相手に卑怯だと思う、けど。とろんとした目で俺を見つめる名がかわいくて、俺はついいけないことを考えてしまった。はだけた制服を引きずり下ろしていくと名の真っ白な上半身が剥き出しになる。胸を乳首ごと舐め上げると彼女は甘いため息をついて俺を煽った。

「あ、は…ぁっ」
「ん…名…」

舌先でぐりぐり先っぽを弄るとぴくぴく身体を震わせて、俺の首に細い腕がするりと絡む。二の腕を掴んでそこにキスをした。ぢゅ、と吸えば柔らかいそこはいとも簡単に鬱血する。こんなもので俺の欲は満たされないけど少しの安心感が身体を満たした。知らずに俺は焦っていたらしい。

「かわいかぁ…、」
「や、ん…っ」

もじもじと下半身をすり合わせる名の脚の間に太ももを挟んで股に押し付けると、名は俺の脚をきゅっと挟んで自分で自分のを刺激した。すりすりとスラックスに名のが擦れて、こんなにはしたない子だっただろうかと少し疑問が出てくる、けど、

「あ、ぅっ、ちとせ、ちとせ、っ、あぁっ!」

スカートをめくった白のレースの隙間から指を入れるとそこは既にぬるぬるでたやすく指2本を飲み込んだ。指を曲げて出し入れするとたまに空気が混ざってぶちゅ、といやらしい音が鳴る。

「…目、覚めたと?」

顔を真っ赤にしてこくこくと必死に頷く名に指をさらに早く動かした。

「やだ、や…っあ、あっ」
「さっきまでは素直やったのに、すごい変わりようやけんね、」
「ゆめ、やて…思っ…!」
「へえ、夢ん中ならこぎゃん大胆になれっとや」
「ちが、あっあっ」
「違うことなかろ?そんくらいで嫌いにならんよ」
「だって、ちとせ、が…っあぁ、んっ!」
「うん?」
「ぜんぜ、構ってくれへん、かって、やや、あっ、うち…っはずかしい、…っ、」

いつも千歳とのやらしいこと思い出してまうの、途切れ途切れにそう言った名は顔を隠してソファに俯せになってしまった。

「…名、」
「あ、んっ、あぁっ!」

指を引き抜いて中も外もぴくぴくと痙攣するそこを後ろから両手で左右に広げると名は俺の手を押さえて「恥ずかしい」と抵抗する。

「名、お尻の穴までぬるぬるになっとるよ、やらしか」
「ふ、あ…!」

ふ、と息を吹き掛けるときゅっと締まったそこは乳白色の液体を零す。下半身がじくじくしてきた。腰を持ち上げて膝を曲げさせると名は尻を突き出すような恰好になる。スボンと下着を下ろして勃起した性器を押し当てるとにゅる、と先端を飲み込まれて、ぐっと力を込めれば肉壁を滑り奥まで入り込んでいく。絡み付く感覚が気持ちいい。

「…っぁ、は」
「名、気持ちよか、よ、っ」
「ひぁ、んっ、おっき、あぁっ!は、」

じゅぷ、じゅぷ、とすごい音を立てて結合部が泡立っていく。名のそこはぬるぬるというよりどろどろで、もしかしたら我慢させていたのかもしれない。

「…名、自分で弄ったと?」
「っ、え、」

途端に中がきゅんっと締まって、身体は素直だと思った。今更首を横に振ったって無意味だ。大体何もしないのにここまで液が出るようになるはずもなくて、明白である。

「ぁ、あ…っ、あぁっ!」

「言ったら、いつでもセックスしちゃるけん我慢せんでよかよ」

ね、と声を掛ければ名は真っ赤な顔を縦に振った。

「ひ、っぁあ、あっ、ちとせ、ちと、」
「名、っ、」

後ろから何回か腰を打ち付けると呆気なく達した名からは力が抜けてソファにへたりこむ。俺はそんな彼女をひっくり返して正常位に戻すと、イったばかりの名をそのまま突き上げた。

「やっ、あ、また…っあぁ!」
「ん、名…っ」

連続でイった名はぎゅうぎゅうに締め付けてくる。限界になった俺はそこから引き抜きお腹に精液をかけた。名はどことなく嬉しそうな顔をしてそれを見る。
結局最後までしてしまったけれど付き合っているのかいないのか、なんてさして重要ではなかった。だって彼女はこんなにも俺とのセックスを喜んでくれている。

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