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ここは保健室でわたしの彼氏であるはずの白石蔵ノ介がよく出没する場所。せやから必然的にわたしもそこへよく行くんやけど、思春期なわたしたちはすぐにいちゃいちゃしたりえろいことしたりえろいことしたりする。今日もいつもと同じそんなパターンで薬品の匂いにつつまれながら(蔵ぜったいこのにおいすきやんな)あっはんうっふんな雰囲気になっていたわけだ。

そして今日も真っ白くて柔らかいシーツが色んな汁によってがびがびになるようなことになりそうやった。せやけど、そんなとき、そんなときに限ってお客さんがやってきた。客は金ちゃん。わたしにはまだ蔵のちんこが入りっぱなしでどくどくと存在を主張している。やばい、と思ったのは当然の感情。ここは保健室やから当然怪我とか体調不良とかのめんどうを見んとあかん場所で、となると金ちゃんに何かあったということになる。となればこの白石蔵ノ介という男は当然、おまえは保護者か!とツッコミを入れたくなるほどの勢いで心配をするに違いない。案の定あわあわしだした蔵はわたしと目を合わせて目でどうしようと訴えてきた。しらねーよ。

「せんせーおらんのかな…」外からはしょんぼりした金ちゃんの声。どないしょうどないしょう、蔵の顔が青ざめていく。いつもならだれが来ても無視してガンガン突いて来訪者を気まずさとイカ臭さで追い返してしまうのに(謙也が来たときは本気でびびった)。というか多分、金ちゃんならベッドが怪しくぎしぎし言ったところで気まずいとか感じるはずもなく最悪好奇心でカーテン開けられてしまうのがオチや。あーあ、だからやめようて言うたのに。(やめてもらえるように本気で反抗せんかったのはわたしですごめんなさい)

「あ。ここのカーテン閉まっとる。」

ぎゃあああああ!びんごおおお!ぺたぺたという足音がまるでわたしたちに終わりを告げるカウントダウンのように室内へこだまする。やばいよこれまじ洒落にならへんってば!こんな異常な状況も手伝ってなのかなんなのかわたしはぎゅうっと蔵の腕とちんこを締め付けてしまい、蔵がいやらしく色っぽいため息をついた。やばいかっこいい、じゃなくてばか!超ばか!蔵のばか!かっこいい!たすけてかみさま女神さま!しかしわたしの祈り虚しくカーテンはシャッと勢いよく開けられてしまうのでした。
きょとんとした顔でわたしたちを見つめるきらきらした純粋な瞳はわたしたちの心をずたずたにするには十分すぎる威力。良心が痛い。かみさまひどい。いくらわたしたちが来訪者をうっふんあっはんで追い返していたからといってこんな報い…あえての金ちゃん。

「白石なにしとんの?」
「や、えっと、これはな…」

「白石のちんこでかい、し、なんや埋まっとる…」

うあああ恥ずかしい!めっちゃ恥ずかしい!「なんで?」とかわいく首を傾げる金ちゃんに良心がずきずき。ごめんなさい。汚れててごめんなさい。蔵のおちんちんだいすきでごめんなさい!

「金ちゃん…これはな…」
「?」
「ちょ、蔵ぜったい変なこと言わんでよ!」
「……こいつが熱くて苦しい言うてたから、楽にさしたげてるだけやねん」

…あながち間違っちゃいないけど熱くて苦しがってる人間は普通冷えピタ貼って布団の中に入るべきであってあんあん言ってる場合じゃないというか。無理があるよ蔵。冷や汗だらだら流しながら説明をした蔵は半ばやけくそになっている。誰が信じるんやこんなん、なんて思っていたら金ちゃんは少し目を曇らせてわたしに「苦しいん?大丈夫?」と聞いてきた。苦しい、うん苦しい。さっきから中に入りっぱなしの蔵のちんこが気になって仕方がない。早く突いて動いていっぱいイかせてほしい。わたしが浅く頷くと金ちゃんはベッドに横になるわたしのおでこをなでなでしてきた。良心ずきずき。そんなわたしを余所に蔵は「金ちゃんも知っといた方がええやろ?」と優しく言うた。なんでやねん、ちゅうか、なにがやねん。

「せやから見てて」

なん、わたしが反論を言い切る前に蔵はわたしの中をずんっと突いてきた。「あっあ…!」意思に反して出てくる恥ずかしい声と金ちゃんの綺麗な目。いや、いやや、蔵。

「は、ああっ、あっ、や、ややぁっ」
「我慢し、っ、」

どこでスイッチが入ったのか蔵の目は欲に塗れていて、獣のようにぎらついている。金ちゃんはわたしの声に驚いたのか、あたふたしはじめた。

「金ちゃん、ここどないなっとるか言うて」

言いながら蔵はわたしの割れ目をぐりぐりとなぞる。びくびく揺れるわたしの身体。金ちゃんは「ぐちゃぐちゃ言うとる…」と少し怯えたようにそう言った。すると蔵はわたしの膝を掴んで大きく左右に開かせた。当然わたしは抵抗したけど敵うはずもない。

「ここ触って」

蔵はわたしの乳首に指を当てて、そのまま押した。金ちゃんはもう泣きたくなるくらいに素直で、「触ったら楽になる?」とわたしの顔色を窺ってくる。首を横に振ろうとすると太ももに蔵の指が食い込んできて、結局否定できなかったわたしの胸には金ちゃんの手が這わせられた。退けたいのに、それと共に蔵は動きを再開させたせいでわたしは喘ぐしかできない。なんだか情けない、な。

「や、ああぁ、っ!は、」
「金ちゃん、そのままぐにゃぐにゃに揉んだって、っん、はぁっ…」
「や、あぁっ、あ、」
「こ、こう?」

そうそう…、と蔵は譫言のように言いながら額に汗を滲ませわたしの中を出入りする。ぐいぐいと脚を広げようとする蔵の腕を掴んで離そうとしてみたけれど、快感のせいでぶるぶると震える手足じゃ何もできない。やばい、これ恥ずかしい。やめてほしいのに羞恥から中は締まっていく。悪循環。ふと視界に映った金ちゃんの顔はほんのり赤くなっていて、やっぱやらしいことって本能が悟るんかなって思った。

「あ、あぁっ、や、金ちゃ、」
「淫乱なったなぁ、お前」
「や、いややぁ…っ、蔵、や、あぁっ、う、はぁっ」

金ちゃんの見た目に反した立派な手の指にわたしの乳首が挟まってそのまま揉まれている。わざとかな、ちがうよね。わたしの中は蔵のご立派なものがごりごり擦ってきて、ぬちゃっ、ぬちゃっ、といやらしい音でわたしの聴覚を犯してくる。なんかもう、だめだ。なんて淫乱なのわたし。胸も股も太ももも性感帯全てを犯されていくような感覚に身震いした。

「イく?」

そんないっぱいいっぱいなわたしに蔵は薄く笑っていじわるく囁く。わたしもうこの男に敵いそうにありません。というか、降伏したい。

「ん…っ」

頷くと、ぐり、と子宮らへんに亀頭が押し付けられて視界がちかちか。思わず近くの金ちゃんに抱き着くと、金ちゃんは「わっ」と反応した後わたしをなでなでしてくれた。この子やさしすぎる!すると蔵は「あ!ちょ、おま…待て、金ちゃん、離れや!」といまいちどっちに文句を言うべきか分からないようで、とりあえず金ちゃんに文句をつけた。

「あっ、んん、蔵、」
「ちゃう、それ金ちゃん、俺こっち」
「そんなんどうでもええわ」
「ようないわ!」
「うっさいはよ動け」
「金ちゃん、離れて」
「せやけど、」
「いやや、金ちゃん…。ここにおって。」
「白石ぃ」
「なんや俺めっちゃ寂しい…」
「金ちゃんすきやぁ」
「もしもーし」

なおシカトを続けてみると、完全に拗ねた蔵はいきなりガンガン突いてきた。いつもはいじめるように掻き回したり焦らしたりしてくるから少し新鮮や。金ちゃん越しに蔵を見ると、いつも余裕こいてる蔵が切羽詰まったような顔をしていてどきどきした。
ぽた、とお腹に垂れた汗にさえ感じてしまう。わたしはぎゅっと金ちゃんのヒョウ柄を握る。すると金ちゃんは「つらい?」とわたしをあやすように声をかけてきた。なんかこっちも新鮮。小さく首を横に振って肩に顔をくっつけた。

「あっあっ、は、あぅ、あぁ、金ちゃん…っ」
「わ、わ」
「ほら、金ちゃん、困っとる、やろ…っ、っはぁ」
「や、あぁっん、ひゃ!あぁっ!だめ、…っふ、ぁ、あぁっ」
「離れや…っ」

蔵は金ちゃんから手を離さないわたしの腕を握ると、ぐっと奥まで突っ込んでから精液を吐き出した。わたしもほとんど同時にイって、思わず大きな声を金ちゃんの耳元で上げてしまった。やば。

「ご、ごめん、な、金ちゃん…」
「まだ辛いん?」
「へ?………あ、あぁ!うん大丈夫超元気!ごめんな金ちゃっげほっごほっごほっ」
「…ほんまに?」
「ほっほんまほんま…」

ほんならええわ!と無邪気な笑顔でわたしの肩をたたいた。

「ほー、元気やねんな」

ほんならもう一回いけるな、とふざけたことを言い出したのは蔵だ。不機嫌さをモロ顔に出しながらわたしの割れ目をぬるぬるとなぞってきた。

「ひっ、あ…っ」
「覚えとき金ちゃん、こいつみたいな女をインランていうんやで。」
「いんらん?それ何?」
「謙也にでも聞いたらええわ」
「ちょ…!あ、やめや…っ」
「うーん…そうする!」

ぎゃあああ!そうしなくていい!蔵のばか!鬼!金ちゃんを引き止めようと腕を伸ばすとその手はベッドに押さえ付けられて、そのまま金ちゃんはぺたぺたと部屋を出ていってしまった。…うそやろ。

「お前はここでもう1ラウンドやろ」

なんていうか、さいあくだ。




「しぬ」
「そんくらいで死ぬわけないやろ、淫乱」
「うわひどー。わたしあんたの彼女なんだけど。」
「それやったら俺お前の彼氏やねんけど。」
「蔵が金ちゃん巻き込んだんやろ!変態!遅漏!」
「お前こそ金ちゃん入ってきた途端ぎゅうぎゅうに締め付けたやろ!なんなんあれ!淫乱!」
「な…っ違うし!」
「どこが」
「…………違わないです」
「ほなごめんなさいは」
「それは嫌」
「なんっでやねん!」
「せやかて蔵も悪いやんか!いつでもどこでも盛りよって!いつもごめんなさいは!」
「………いつもごめんなさい」
「よし」
「なぁ、」
「ん?」
「………」
「なん」
「………」
「おーい、白石くーん」
「……あんな」
「うん」
「抱きしめて、ほしいねん…」
「!」
「…あかん?」
「え、ええ、よ…」

そんなかんじでわたしたちは仲直りをしたわけなんだけど、それより何より解決しなければならない問題があったことに唐突に気が付いた。金ちゃん!どこだ!

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