memo | ナノ


ハロー、ミシェーラ。

兄ちゃんは元気にやってます。

ところでこの前、大好きなクラウスさんに、今度植物園へ一緒に行かないかって誘われてしまった!もう二つ返事でオッケイ出したけど別に二人きりってわけじゃないんだ。

オマケでついてきたスティーブンさんの動向も気になるところだけど、それでも兄ちゃん、頑張ってくるよ!



そう、クラウスさんに植物園の入園チケットをもらったのが3日前。

今日はいよいよクラウスさんと(あとスティーブンさんと)デートの日だ!

前の日は遠足前の子供のように興奮しすぎて眠れなかったけど、今気分は最高にハイってやつだ。ちょっとでも隙あらばクラウスさんと二人っきりになれるといいな。

よし、頑張る!マジで今日は気合を入れて挑むぞ!!!


僕がこの日にものすごく賭けているのにはそれなりに理由がある。

まず、3人と言えど、プライベートで会えるというのがそもそもものすごくレアだ。

休日のクラウスさんってどんな感じなんだろう…考えるだけでライス3杯はいける。

あとは、言わずもがなだけど、ちょっとでも、僕のこと意識してもらえるといいな。

僕が言うのもなんだけど、クラウスさんってめちゃめちゃ鈍い。ちょっとやそっとのことじゃ意識してもらえない。それはこれまでの経験上、嫌というほど思い知らされているから、マジでホント、積極的に挑みたい。


それから気になるのはスティーブンさんのこと。

ライブラに入ってから、ずっと二人の関係には疑いの目を向けてきたのだけど、この前あまりにも二人の間には誰も入れないぜって空気を醸し出しやがったから、思わず溜め込んでた心の声がダダ漏れになってしまった。

その日からなんだかスティーブンさんの様子がおかしくなって、ツッコんでみたらクラウスさんとはなんでもないから安心しろって言う。

そりゃ、すぐに完全に信じたわけじゃないけど、本人が真剣に否定するから僕の早とちりだったって納得した。

これでとりあえず障害と思われていたものはほぼなくなったと踏んでいたんだけど、やっぱりスティーブンさんはなんか隠していると思う。

じゃなきゃ、今回のことだって何かと理由をつけて断ってくれてもいいものを。

付き合ってはいないけど、クラウスさんのことを好きなのかもしれない。

まだまだ油断できないぞ…。



待ち合わせは10時に入園口前。

現地集合なのにはクラウスさんらしすぎて笑ってしまったのだけど、いよいよこれからとなると緊張する。

僕は30分前に着いたので、スクーターを駐車して入り口に回る。

向かう途中で同じくこちらへ向かって歩いてくるスティーブンさんと目が合った。

あああーあわよくば早く行ってクラウスさんと二人っきりにと思ってした行動が完全に裏目にでたー

顔に出ていたのかスティーブンさんが苦笑する。やっべ、気をつけないと。


「おはようレオナルド、今日は気合いが入ってるな。かっこいいじゃないか」

「おはようございます。ど、どうも…」


さらりと私服を褒められて言葉に詰まる。こういうとこだよね!悔しいけど同じ同性から見てもスマートでかっこいい。

確かに今日は少しでもよく見せようと普段あんまり着ない、持っている中で数少ない自分の中のオシャレ服を着てきた。(上着なんてクラウスさんを意識して頑張って赤いのにした)

早速突っ込まれるとちょっと恥ずかしいんだけど…

そういうスティーブンさんはいつもより少しカジュアルな格好をしている。

まぁ普段がスーツだから、そりゃ大抵なに着てもカジュアルになるのかもだけど。

薄着なのが新鮮だな。足長いしタッパもあるから実に絵になる。女性がほっとかないだろうに


「なんだい?人のことジロジロと見て」

「う、なんでもねーです…」

「もしかして見惚れてた?」

「んなわきゃーない」

「そうか、残念」


まあ、ちょっとはかっこいいと思ったけどそんな風に言われると素直に答える気にはならない。スティーブンさんも軽い冗談だと言わんばかりに大げさに落ち込んだ風に言う。

出会った頃はこんな砕けた一面が見れるとは思いもしなかったな。

そういう意味では、僕もだいぶライブラに馴染んできたのかな。

そんな風にいろいろ考えながら歩いていると入り口付近に人影が見えてきた。え、え、まさか


「クラウスさん!?」

「ああ、おはようレオナルド君、スティーブン。今日はよろしく」

「おはようクラウス。早いな…。ギルベルトさんも…え、いつ来られたんですか?」

「おはようございます。いえ、そんな。皆さんが来られる少し前ですよ」


謙遜するギルベルトさんもいつもとかわらないクラウスさんもかっこいい!!

ホント、紳士だ…紳士の鏡だ。きっと1時間以上前に来ていたに違いない。改めて惚れ惚れする。女性はなんでクラウスさんの魅力に気づけないのか。いや、気づかなくていいのだけど。


「では、私は車内で待機しておりますのでなにかありましたらいつでも連絡を」

「ああ、すまないがよろしく頼む。」


ギルベルトさんとお決まりなやりとりをしてこちらを振り返る。

もう背中から滲み出ていたけど顔をみるとやっぱりウキウキととても楽しそうで、見てるこっちも笑顔になる。あー好き。クラウスさんマジかわいい。

今思ったけどクラウスさんも待ち遠しくて早めに来てしまったのかもしれない。

どちらにせよ嬉しい。


「では行こうか」


チケットを切ってもらい中に入る。

初めて入ったけど、この植物園めちゃめちゃ広そう。見渡す限り緑緑で先が見えない。

奥に森っぽいのが見えるけどあれもそうなのかな…。


クラウスさんが早速パンフを見つめてどこから見ようかとそわそわと落ち着きなくあたりを見回す。思わず抱きつきたくなるのを必死で堪えて僕は横からパンフを覗き込んだ。


「順路とかはとくにないみたいですね。なにか目当てのとことかあります?」

「うむ、そうだな、レオナルド君はどこかあるかね?」

「僕はクラウスさんが行きたいとこならどこへでも!」

「そうだぞクラウス、君の行きたい場所に連れてってくれ」


僕とスティーブンさんに言われて、「では」と早る気持ちを抑えきれない様子でパララとパンフをめくる。もう動きひとつひとつが愛しい。


「この、温室に行きたいのだが」

「へぇ、素敵な外観ですね!」

「ああ、ここで一番人気なんだよな。水晶宮風の温室。いいじゃないか、そこへ行こう」


目的地が決まったのでそこへ向かって歩き出す。

自然と並びが僕を真ん中に挟む形になる。二人ともおっきいから仕方ないのだけど、軽く捕らわれの宇宙人の気持ちがわかる気がした。

それでもとにかく僕は浮かれている。隣にはクラウスさん。周りは圧倒されるほどの絶景。
最高だ。

温室までの距離を談笑しながら歩く。


「レオナルド君は普段、休みの日はどうやって過ごしているのかね?」

「っ!あ、はい!専らバイトか、そうじゃなかったら寝てます。だから、今日はとても新鮮で、楽しいです!」


クラウスさんが僕に興味を持ってくれてる!?

嬉しくて若干早口で答える。


「あの、クラウスさんは」

「クラウスはあれだろ、プロスフェアー三昧か庭いじり。」

「ああ、そうだな。ついつい、没頭してしまう。」


なんでもお見通しだな、とクラウスさんがバツが悪そうに背中を丸める。

その背中をバシバシ叩きながら想像通りだったな、とスティーブンさんが爆笑している。

が、ハタとこちらをみて笑うのを止めた。そんなあからさまにやっちまったって顔されなくても別に取って食やしませんよ。

悔しいなとは思うけど。うらやましいなとは思うけど!


やっぱり二人には僕の知らない積み重ねた時間があって、その点はどうしようもないけど敵わないなって思う。


だからといって今更落ち込んだりはしていられない。




***



ほどなくして例の温室にたどり着いた。


「おお…」

「へぇ、これはすごい」


ビンテージものの鉄の枠組みで出来た、古くからあるでろう温室と、ぴかぴかと半透明に輝く謎の棒状の枠組みからなる、最新技術が施されているであろう温室の、なんともいえない融合感に息を飲む。

水晶宮とはうまいこと例えたものだ。どこぞの国の宮殿といってもおかしくないくらい、壮観で、堂々とした佇まい。

写真で見ても綺麗で迫力あったけど、実物は尚更だ。


ひとしきり写真を撮り、中に入ると、日光が入らない分、反射板や増幅装置などで温室特有の、じわりとあたたかい環境がしっかりと整えられていた。


自分の背丈の何十倍もある木々を見上げてほぉー…とか漏らしてたらスティーブンさんが口を開いた。


「ここまでだいぶ距離もあったし喉が渇いたろ。ちょっと、飲み物を買ってくるよ。」

「む、そうだな。すまないがお願いしよう」


何がいい?と聞かれてコーラを頼む。スティーブンさんの言うとおり、結構歩いたし、それに温室の中は本当に暑い。ありがたい申し出に更に嬉しいのは突然振って沸いた二人きりの時間。

スティーブンさんの気遣いなのかなんなのかはわからないけど、とにかくチャンスだ。これを逃す手はない。


見回すと少し先にクラウスさんが屈むようにして植物を眺めているのが見えた。

僕は早歩きで傍に行くとピタリと隣にくっついた。ううう、めちゃめちゃ緊張する!


「クラウスさん」

「レオナルド君、見たまえ。この植物は実に興味深い。太古の時代から存在しているのだが、時代時代に適応する為進化を続けているのだ。未来永劫子孫を残そうとするこの適応能力。我々人類も見習わねばならぬものがあるな」


視線は植物に釘付けで唸りながら解説をしてくれる。

クラウスさんが楽しそうで本当に嬉しい。だけど僕だって今の時間を無駄には出来ない。

ええい!朝の勢いはどうした!震えてるんじゃないぞ、レオナルド・ウォッチ!

自分自身に言い聞かせ、僕は恐る恐るクラウスさんの腕らへんの服を掴んだ。

…くッそー!チキンか!!へタレか!!自分にがっかりするわ!!


やっぱり服を掴んでいる程度じゃ気づいてもらえなくて、クラウスさんは次の目当ての植物を見に、動きだす。


僕は、僕はもうなけなしの勇気を振り絞ってその腕にしがみついた。


「?レオナルド君?」

「く、クラウスさん、その、もう少し、もう少し、ここに、いたいです…」

「む、そうか。すまない。つい夢中になってしまった。」

「いえ…」

「自分のペースで見るのは大事なことだ。急かしたようで申し訳ない」

「やっ、あの、ですね」


やはりはっきり言わないとクラウスさんには伝わらない。

自分でもびっくりするくらい言葉が出てこなくて、はくはくと声にならない音を出す。

こんなにも、こんなにも思っているし、言いたいこともあるのに、言葉にするということはなんて難しいのだろう。


でも、クラウスさんは僕が喋るのを待ってくれている。

目を逸らすことなく、じっと覗き込むようにして僕の次の言葉を待ってくれている。

それだけでもう、たまらない気持ちになって僕の涙腺が勝手に緩みそうになったので、慌てて言葉を紡ぐ。



「く、クラウスさんと、…もっと、いっしょにいたい、です」



言った――――

息が止まるくらい緊張して、言った後も反応が怖くて、動悸がどうにかなってしまいそうなほど五月蝿い。

言い切るのに精一杯で逸らしてしまった視線に今更後悔する。顔が上げられなくなってしまった。クラウスさんは今、どんな顔をしているのだろう。

手に力が入らない。震えはずっと続いている。それでも離したくなかった。小さな両手で引き止めた、自分の倍はあるであろう愛しい人の太い腕。離してなるものか。


「私もだ。」


心地のいいバリトンボイスが耳をくすぐる。

僕は弾かれるようにその顔を見上げる。

それと同時に掴んでない方の手で頭を撫でられる。優しく、ゆっくりと。


クラウスさんは笑っていた。

これは大げさでもなんでもなくて、本当にふわりと、やわらかい微笑を浮かべていた。






***




「えへへへへへへ」

「だらしない顔だなぁ少年。涎垂れるぞ」



スティーブンさんの合流を待ってバラ園に移動してきた。

クラウスさんがちょっと二人で見ててくれと言って、飲み終わったビンなどを捨てに席を外している間に、さっきのミラクルをこの人に報告したところだ。顔がニヤけるのを止められない。


「これがニヤけずにいられますか!はぁ――――…おんなじだって言ってもらえて、嬉しかったなぁー…」

「…水を差す用で悪いけど、それは本当に同じなのかな?」


「…なんすか、どういう意味ですか」


ふわふわといい気持ちでいたのに本当に水を差された気分だ。

この人はやっぱりなにかと突っかかってくる。あんまりいい気はしない。


「少年は一緒にいたいっていったんだろ?それはいろんな意味に捉えることができると思うんだよね」

「…まぁ、そうっすけど」

「だからはっきり確証が持てる前から浮かれるのもどうかと思うんだよ」

「…そんなの、そんなのわかってますよ!」


チクチクと刺さる言葉が鬱陶しくて僕は叫んだ。


「いいんです!例えクラウスさんの気持ちが僕のとは違うものだったって!僕は単純に嬉しかったんだから。そりゃ…、付き合えたらいいなって思ってますよ!でもいいじゃないっすか!今は!!

スティーブンさんにはどうでもいいことかもしれないけど、僕にとってはこの小さな進展が、ものすっっっごく大事なんすから!!」

「どうでもいいなんて思ってないよ。僕にだって、すごく大事なことだ」

「…え?」

「レオナルド、君は酷いね。知らないことで傷つけることもあるってことをわかっていない。」

「……?どういう…」


スティーブンさんの纏う空気が変わった。

あ、これは覚えがある。クラウスさんに植物園のチケットを貰えたって、僕がはしゃいで報告した時と、似ている。

足が竦む。スティーブンさんが口を開きかける。嫌だ。怖い。聞きたくない。




「レオ!スティーブン!」



だけど聞こえてきたのは大好きな人の僕の名前を呼ぶ声だった。



「二人とも、何があったのだ。話してくれないか。」


尋常でない緊張感をクラウスさんも感じたのだろうか。心配そうに交互に僕らの顔を見る。


「丁度いい。ここらでハッキリさせてみるのもいいんじゃないか?」


自嘲的に吐き捨てたスティーブンさんの言葉に僕は耳を疑った。待って、やめて。

なにを言うつもりだ。


「スティーブンさん!」

「クラウス、君に質問だ…」

「!やだ、スティーブンさん!やめっ……!?」


肩を引かれ向き合う形になると瞳いっぱいにスティーブンさんの顔が映る。

次の瞬間、チュッと軽いリップ音がして唇が触れる。


「!?」

「僕はレオのことが好きだ。」

「は」

「好きっていうのはライクじゃない。ラブの方だ。俺はレオのことが好きだ。愛している。キスだって今以上のことがしたいしセックスだってしたい」

「ちょ」

「クラウス、君はどうなんだ。レオのことを、どう思っている?」

「まっ、は?…え??」


思考が追いつかない。

すぐ隣で話しているのに声がまるで水の中にでもいるかのように、くぐもって聞こえる。


待って。待って待って待って、一個ずつ整理させて!何が起きた?なにを言った?

スティーブンさんは、僕に何をした?

僕のことを、なんて…?


あまりにも予想外の出来事に何も言えないでいると更に予想だにしない追い討ちがかかる。


ズンズンと大股で、瞬間移動かと思うほどのスピードでクラウスさんが目の前にくる。



「んっ!?」


大きな手で顔を包み込まれ、待ったなしに唇を奪われる。

夢にまで見た大好きな人とのキスは突然で、しかもついさっき違う相手とキスしたばかりだ。

あまりにも展開が早すぎて卒倒しそうになる。


「レオ、君のことが好きだ。」


目の前のクラウスさんがキラキラと輝いて見える。頭が沸騰しそうだ。

先ほど何が起こったかなんてもはや、どうでもいい。クラウスさんとキス…。クラウスさんも僕のことが好き…。

ああなんて甘い響きだ。脳漿が溶けて出てきそう。


「スティーブン」


「ん、…ああ。……おめでとう。…思いが同じなら、もう野暮なことは言わないよ。

…そんな顔をするな、クラウス。掻き回す様な真似をして悪かったな。」


スティーブンさんが俯き加減にポツリと呟く。

少し屈んだクラウスさんが、………え?????




「ふっ…ん、!………………………は??????」

「スティーブン、君のことが好きだ」






なあああああああああ???!!??!?



「」

「レオ、スティーブン、私は君たち二人のことが好きだ。」

「」

「愛しているか、と聞かれると正直わからない。愛するとは、一人の人を想うことだと、私は考えるからだ。しかし、何度も持ち帰って考えたのだが、どちらかへの思いがより勝ってるというのは、やはり私の中ではありえないことだ。どちらにも同じくらい愛情があるし、どちらにも、触れたいと思う。…こんな答えでは、駄目だろうか」







「駄目に決まってんでしょうがああああああ!!!!!」

「駄目に決まってんだろうがあああああああ!!!!!」




「な、なん!?クラウスさん!!?しっかりして下さい!紳士なあなたは一体どこへ!?」

「気でも触れたかクラウス!冷静になってよく考えてくれ、俺とレオだぞ!?」

「僕だけでいいじゃないですか!」

「いやよくない!クラウスのそれは恋愛にはなり得ないということでいいか?それだったら僕がレオを愛するからそれで問題ないだろ」

「やめて下さい間違ってもスティーブンさんとはぜったいないです」

「レオも強情な奴だなー!そんなの付き合ってみないとわからないだろ?」

「わかりますよ!もういいじゃないですか!クラウスさんがハッキリすればいいことです!」

「なんだクラウス、さっきまでの饒舌はどうした!?意見があるなら言ってみろ」

「そうですよクラウスさん!」


「私は」


「私は、君たち二人が仲良くしてくれれば、これ以上嬉しいことはない」


「よしきたクラウス!!!」

「いやあああアホかああああ!!!断固拒否!!断固反対!!!!」





***



こうして。

僕たち三人の関係は、一言では言い表すことができないほど、複雑怪奇なものになってしまったのでした。


もうしばらく、好きだ嫌いだ惚れた腫れたな話はこりごりだ!!!!







END.












これで一旦、このシリーズは了とさせていただきます。

始めはスティーブン→レオナルド→クラウス→スティーブンのどうしようもない一方通行にしようかと思ってたのですが、もうちょっと面白くできないかなと考えた結果、このようなもっとややこしいやっかいなものができました。

くっつくくっつかないとかそういう次元を超えた感じにできて、個人的にはこれもありかなーと思います。


また機会があったらこういったわちゃわちゃしたものを書いてみたいです。






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