「なんかおもしろいこと言って」 「「……え?」」
さてさて、練習の合間の束の間の休憩時間。みんな思い思いに過ごしていたのは先ほどまでのこと。 このあっついなか二年生は元気で、今日も清水のまわりをちょこまかとついて回っていた。 いつもならガン無視の清水だがこの日ばかりはいい加減眉間に皺が寄り大層うっとうしそうな顔をしていた。 その矢先に放たれた一言。
かくして10分間(休憩残り時間的に)の、清水潔子さんを笑わせるのは俺だ大会が開催されるのであった…。
「ん?まって何の話?」
それまで静かに体育座りをして聞いていた東峰は遂に待ったをかけた。
「だから、潔子さんを俺と龍でどっちが笑わせられるかってお話ですよ!!」
なに言ってんすか!っと西谷が鼻を鳴らす。東峰はますます首を傾げる。ふくろうとまではいかないが90度は傾いている。
「え、それは俺が復帰する前の話なの?俺、そんなシーンに遭遇した記憶が無いよ」 「だからぁ!お話っていってるじゃないっすか!!」 「ん??」 「本当に潔子さんが俺らに『面白い話をしてv』なんて言う訳ないじゃないすか!」 「えーとつまり…」 「全部俺の妄想に決まってるじゃないっすか!!」
そこまで聞いて東峰はがっくりと首を落とした。 それとほぼ同時に澤村が声を張る。
「集合ー!練習再開すっぞ!!」
そんなわけで東峰の貴重な10分間はなんの意義もなく西谷の妄言に付き合って終わったのであった。
END.
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お題:経験のないギャグ
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