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そのドヤ顔をやめろ。
不機嫌マックスで眉間に皺を寄せて不動はディスプレイを見つめ続けた。
だからチラチラこちらの様子を伺うんじゃねえ。そのにやけ面をぶっ飛ばしてやりたくなる。

なんだってこんなことになったのか。
俺が何をしたと言うんだ。そもそも最初から不動はパソコンで作業するつもりなど毛頭なかったわけだが。
どっかの誰かさんたちがこぞって時代遅れだのデータを共用するからだのほざくものだからめんどくせえええ!!
と、ちゃぶ台(もといパソコンデスク)をひっくり返したくなる気持ちを必死で抑えて作業に取り掛かりだしたのは今から1時間ほど前のことだっただろうか。

で、今に至る。
不動の代わりに軽快にキーボードを叩く彼はどこか愉快そうで、その態度に尚更不動の不機嫌指数が上昇する。


「こういう時は実はショートカットが使えるんだよ。
そうすれば今の二分の一の時間でグラフが作れるよ」
「…」
「あ、あとここ!あらかじめ色を変えておくと他と差がついてわかりやすいでしょ?」
「……」
「そうだ!今度うちにきた時にいろいろ教えてあげるよ。緑川もいるしきっと役に立つと思うんだ」
「…あのよ」
「ん?どうしたの不動くん」
「……帰っていいか」
「ちょ、何いってるのここ不動くんちじゃない!帰るってどこに…はっ!……そういうこと!?
ごめんごめん気づかなくて!当たり前じゃないか俺の家は不動くんの家も同然だよ!!
よし、そうと決まれば荷造りだ!しばらく泊まってくでしょ!?遠慮なんていいからいいから。
あ、緑川に連絡しとかないと!
…あ、もしもし緑「なんでそうなるんだごらああああああああああ!!!!!!!」



気がついたらパソコンを鯖折りしてたんだ。
何が起こったのか俺にもよくわからない。



しかして皮肉にも基山宅でのパソコン合宿が現実になってしまったわけで。
自爆した不動はもはや生きる屍だったとかなんとか。





END.

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お題:地獄パソコン


やっぱりこの二人は書きやすいわ






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