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「待って!」

とててと二個となりの自販機に向かうとズボンのポケットからおもむろに銀色の硬貨を取り出して薄い穴に投入した。

迷うことなくボタンを押し、ボスッと軽めの落下音がした。

「いつもお疲れ様、キャプテン」

はい、とピンク色の紙パックを手渡されて大地は戸惑った。

「え、先生そんな、悪いですよ」

休憩時間、飲み物を買いにきた自販機で武田と鉢合わせたのは先ほどのこと。
自然と部活の話になり買いにきたことなどすっかり忘れ、話に没頭していた時予鈴がなった。
いろんな意味で目が話せない新入生について話しすぎたな。
次の授業がはじまるから飲み物はまた後だ。そう思って大地は武田に挨拶を軽く交わしてその場を後にするつもりだった。

「疲れた時には甘いものだよ澤村くん」
「〜〜!…ありがとうございます!」

本鈴がなるまで後3分。四の五の言い合ってる暇はなかった。
借りは絶対返すぞ!大地はそう自分を納得させ、ニコニコしながら手を振る武田を尻目にその場を離れた。



「遅かったね、大地」
「おー」
「あれ、それいちごオレ?珍しいねそんな甘ったるいの」
「疲れた時には甘いものなんだよ」
「ふーん?」


先生、甘いの好きなのかな。
ストローを吸うとミルクの甘さにいちごの甘酸っぱさが溶け合った、なんとも言えない味がした。





*********

いちご俺は読み切りで飲んでたんですかね?
真相はわかりませんが先生きっかけでいちごオレを好きになってたら机ぶっ叩くよ私が。





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