!BLボケ
!馬鹿幸村注意













「何故倒せぬのであろうか」
俺様の主である真田の旦那がうーん、と首を傾げ、腕組みながらそう唸った。
「....なんの話で?」
後ろから話しかけてみれば、パッと旦那は笑顔で振り返り、「おお佐助!」と嬉しそうにはしゃいでいた。まるで子供のようだ。少し微笑めば、旦那は表情を笑顔から真っ赤にして恥ずかしそうにした。
「....どうしたの?旦那」
そういって近くで顔を覗きこめば、旦那は余計真っ赤にして、
「はははは」
「は?」
「ははは破廉恥極まりないぃぃ!!」
と言って俺様を殴った。え?殴った!?
「ぶへぇ!!!!ちょ」
真田の旦那!!俺様なんかしましたぁ!?
「す、すまぬ佐助!!」
吹っ飛んだ俺様へと駆けつけてくる旦那。


嗚呼。なんだか今日1日嫌っな予感する....
忍の感はよく当たるんですわ。




「して?なんの話だったんですか?」
打った腰をさすりながら立ち上がる俺を見て、旦那は申し訳なさそうな顔をしていたが俺の言葉を聞き、「おお!忘れてた!!」と笑顔になる(そんで俺様をぶっ飛ばした事も忘れたでしょ今)。

「実はな!どうしても俺は独眼竜を倒せないのだ。どうやったら倒せるのであろうか?と悩んでおったところなのだ!」

それは旦那らしいお悩みで...

俺は、よっこらせっ、と旦那の隣に音もたてずに座った。「いいじゃない。別に。真田の旦那は強いよ?俺様が言うんだからそりゃ嘘じゃないんだからね〜」
「な、ならば何故独眼竜に勝てぬのだ!」
「あの人も強いからね〜いいじゃん。お互いに強くて引き分けで。負けるよりかはそっちの方がかっこいいよ」
「勝つ方がかっこいいではないか!!」
「そりゃそうだけど...」
そこでふっと思った。
「旦那、なんでそんな勝ちにこだわるの?勝たなきゃだめなの?負けるわけじゃないのに」
「勝たなければならないのだ!」
「どうして?」
すると旦那は真面目な顔でキッパリと言った。


「なんせ佐助が懸かっておるからなっ」


「.....はぁ!!??」


落ち着け落ち着け俺様ー。
主は今、なんて言った?


「旦那、もーいっかい言って?」
「佐助が懸かってお」
「のぉぉぉお!!なに言ってんのあんたぁぁぁ!!」
頭を思わず抱える。
え?何?なんで独眼竜と旦那の戦いに俺様の名前が、名前が、出てくるわけ?
「つまりは独眼竜の旦那は優秀な忍びがほしいとか言ってきて、俺様を指名してきたわけね?」
「いや、なんでもまいはにいを嫁によこせとかなんとか言っておったな。」
のぉぉぉお!!
「勿論俺はちゃんと断ったぞ!佐助は俺の忍びだからな!」
真田の旦那....
「そしたら独眼竜が「じゃあ決闘で勝った方が佐助をもらう方向で」と申してな」
「ってそれ呑んだんかいぃ!!」
「うむ。」
「うむ、じゃなぁぁぁぁい!!」
俺様一大事じゃん!!嫌だよあんな変態丸出しな(失礼じゃないよ本当なんだから!)奴のとこに嫁ぐなんてさ!!(まてよ俺様男だよな?)
「こ、こうなりゃぁ旦那!!頑張ってよね!!」
「うむ!勿論だ!」
しかし、と旦那は続ける。
「どうしたものか....どうやったら独眼竜に勝てるのか...わからぬのだ」
そんな事、俺様も一緒に考えるよ!一大事だし!うん!
「俺自身の弱点さえわかっていれば、防ぎきれるものの...」
うーん...旦那の弱点、ねぇ.....

しばらく頭を掻いていた俺の手が止まる。
(そういえば...いつも旦那、凄まじい攻撃をした後、長い槍を次の攻撃のために持ちかえる時に隙ができるんだよな...)
そこで俺は「あっ」と声を出した。
「旦那!!隙だ!!」
旦那に向かって思わず叫ぶ。
うっわ俺様素晴らしい発見したよ!
俺の言葉を聞いた旦那と言えば、放心状態になってる。....え?なんで?
「...佐助、お主、今なんと..?」
「だぁかぁら!!隙なんだよ!!旦那!!隙だよ隙!!」
あんたには隙があるんだよ!
って言ったらそこはちょっとショック受けるかな?
なんて思ってたら
「それは真か!?さささ佐助ぇ!!」
って叫んできた。
「嘘ついてどうするの?ここで嘘つく馬鹿がいますかお馬鹿さん」
「なんと!!佐助、お、俺もそう昔から思っておったのだ!!すき、だと!!」
わかってたんかい!!じゃぁ直しなさいよ!!
そう言おうとした矢先、旦那は俺の手首を掴み、グイッと引っ張って駆け出した。
「ちょ...」
「佐助ぇ!!行くぞ!」
「え?あ、独眼竜のとこ?じゃあ待って今から馬の準備を...」
「何故独眼竜の所にわざわざ行くのだ!違う!親方様のとこよ!」
なんでぇぇぇぇ!!??
さらに俺様の嫌な予感はぷくぷくと膨らんでいった。


そして忍びの感は当たるものなんだよ...








(親方様ぁぁぁぁぁぁ!!佐助との結婚のお許しをくださぁぁぁぁぁぁいいいいぁぁぁ!!!!)

(ぇぇぇええ゛!!??ちょ...なんでそーなるの!!??)








旦那が「隙」を「好き」と勘違いしていた、と俺様が気づいたころには時既に遅し。

(幸村よ!佐助を幸せにするのだぞ!!)
(えぇ!?)
(お、親方すばぁぁぁぁ!!)
(幸村ぁ!!)
(親方さまぁぁぁ!!)
(ゆきむらぁぁぁぁぁ)
(ぅおやかたすばぁぁぁぁぁ!!)
(ゆぅきむるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!)(ぅおやかたすばぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)

嗚呼....


俺様再就職先探します!!!!















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