剣騎士は、剣と再会す










男はそれを唱える。かのあの人へ伝わるように。男は無表情で、しかしながら酷く緊張した心情で唇を動かす。喉がぴりぴりと痛み、ああ、緊張しているのかと半分まで読み上げたところでやっと理解する。

それでも音は凛と弾む。
無換気の隔離部屋のはずのそこに、どこからか風がぶわりと吹き始める。

床に描かれた魔法陣に光がともされた。男はそれに歓喜を覚え、同時に不安がよぎる。

あの人は、この俺に応えてくれるのか否か。


そして、その光へ、最後の一句を叫ぶように問う。


「我が問いに答えよ!選ばれし英霊よ‥―――ッ!」




光は光とぶつかり合いながらまばゆく光る。男は一生ではじめてその眩しさを見た。それは、青く、澄んだ空色で、しかしながらそこには優しい色は持ち合わせてなく。激しい、まるで稲妻のような強さと強烈さを持ち、ああ、まさに。まさに‥!

男は光の前で両膝をがくんと落とした。痛みがびりびりと叫んでいる。しかしながら一切それを無視した。


「ずっと、ずっとこの小十郎めは‥、貴方様を待っておりました、それは、気が遠くなるほど、ずっとでございます‥」


男は眼を細める。光へと逞しい手を伸ばして見る。その青色の中で徐々に形を作るものが浮かび上がった。それは、人の形をしている。
じゃり。魔法陣の中心に現れたその青を身にまとう人―――眼帯で右目を隠した、黒髪の青年、は、ニヤリと笑いながらその自ら名を口にした小十郎という男へと近づいた。

「だいたいどうして貴方は輪廻から外れ、このような世迷い事に――」
「Heyhey!小言なんざぁここまできて聞きたかねーんだよ!」

そう第一声を叫ぶなり、青年は、しかしながら楽しそうに頭をかきながらゆーしー?と訪ねる。

「とりあえず、黙って質問を聞いてやれよ?話はそれからだ、俺の、右目」








(問う、お前が俺のマスターか?)
(愚問です。しかし、それは建前で事実上は私が貴方に仕えるわけで――)

(小言は聞き飽きたぜ!小十郎!)



















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片倉小十郎、セイバークラス召還。
のこりあと6組。

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