!現学パロ
!完全ホモ(さゆき)
!生徒×先生
その恋は突然だった。
入学初日、がやがやとうるさい新入生の列の中で、俺は小さく欠伸をしながら何気なくまわりを見渡していた。女の子かわいい子ばっかだなーとか、となりの金髪の子胸でっかいな、とかそんなくだらない事考えてたら、見慣れない(それもそうだが)先生が今から入学式のために身なりチェックをおこなうとか言い出して、うわやっべーと俺は頭をかいた。
俺の髪は橙に近い茶髪で、でもそれは地毛なのだが中学では毎回の如く先生たちに目をつけられていて、
(めんどくせー‥)
半ば諦めモードに突入したら、さらりと誰かに後ろから頭を撫でられた。
えっ、と振り向けば、スーツを綺麗に着込んだナイス美貌な先生がふむっ、といいながら俺の頭をしつこくしかし優しく撫でていた。
(あっやばもうばれた)
半分だった諦めモードはさらに全開になってしまい脱力しながら俺はそのイケメンな先生を半目で見つめて問う。
「‥もう撫でるのはいいっしょセンセ‥」
「おう、すまん。あまりに綺麗な髪で、つい、な。」
「はい?」
「身なりチェックするぞ、ほら立て。」
そういって俺を立たせるやいなや、こちらをじっと見つめて考えるように顎に手をあて、口を開く。
「第一ボタンを止めろ。ズボンもしっかり上げて。シャツもキチッと入れろ。あとピアス、頭にとめている布を外せ。わかったな、猿飛」
「えっあ‥はい‥エッ」
「なんだ」
「それだけ?」
「なんだこんなにあるのにそれだけってどういう事だ?」
「だって‥」
そこでさらに他の先生が「ちょっとちょっと真田先生!」とわってこちらの会話な入ってきた。
「その子、髪の色ダメですよ。今すぐトイレにいってスプレーで黒染めさせてください」
「はい?」
「はい?って、真田先生、その子を」
「ですがこやつは地毛、ですぞ」
は?と俺と先生A(仮)は目を丸くする。えっなんでわかるの?いや確かに地毛だけれども!
「そうだよな、猿飛」
「え‥あ、はい‥」
「でも真田先生‥」
「地毛は地毛です!本人もいっております!それに」
そのイケメンな先生(どうやら真田先生というらしい)は綺麗な笑顔でこういった。
「こんな綺麗な髪、染めて作れるはずありませぬ」
まじかよこの先生、イケメンすぎるんですけどやばいやばい、と高鳴る胸を抑えるために胸元のシャツを握り締めるもやはり抑えられなくて。
どうやら俺は男前なイケメン真田先生におとされたらしく、考える前に口にした。
「やべっもろ惚れた」
「ん?」
「先生!おれさまとイケナイ恋しよう!」
「‥は?」
周りの女の子の黄色い叫び、まじかよという男子の声、あんぐりとした先生たちの中心でおれは一世一代の大告白にでる。
「おれさま、先生に惚れちゃったみたいだから、付き合って先生!」
「いやおれとおぬしは先生生徒の間柄だから色恋沙汰は規則に反する。」
まようことなく俺様の一世一代の大告白をズバリと斬り捨て御免と豪快に斬って捨て去ったイケメン美貌の真田先生は武士のごとく。可愛い顔してすっごく男前‥!なにそれかっこいい!
そう今絶賛恋の病中である俺様にはなにをいってもいい方向にしかもっていかないよ!ああもうがんばって真田先生と結婚します!
すこし周りや先生方に心配の目を向けられ真田先生は「ははは‥」と困ったような苦笑(その表情がこれまたかっこいいんだ!)を浮かべていたけれど、そんなの関係あるか!
ぜったい真田先生を手に入れてみせる!
かくして真田先生とおれさまの、恋の学園パラダイスがここからはじまったのだった。
「いや始まっておらぬ‥おらぬからな!」
おしえてせんせい!