おはなし 7/10 00:27


!5部終了後
!トリッシュはカタギの女の子で現在学校通ってる
!ブチャトリ←ミス
!知らない人出てくるけどあんま関係ねぇよ












「やぁ、こんにちは」
「あら‥こんにちは。えっと‥‥」
「×××って名前だよ。あの、ほら、数学の時同じクラスにいる‥」
「‥‥ああ、×××さん。ええ、わかるわ。たしか‥ペンを貸してくれた‥」
「ああ、よかった。君に忘れられてたら、ショックのあまり死んでしまうよ」
「‥‥ふふ。そう簡単に死んじゃだめよ。男の子は強くなくちゃ」
「ははは、そうだよね。‥‥トリッシュさん」
「はい?」
「今日は君の誕生日と聞いたんだ」
「ええ、そうだけど‥‥」
「だから、これを君に受け取って欲しいんだ‥‥貴女より美しいバラではないけれど‥」
「‥‥あら、綺麗‥‥」
「前から、貴女の事綺麗だと思ってたんだ‥その、ボクと付き合ってもらえないだろうか‥?」
「‥‥‥‥」
「トリッシュ‥‥?」

「ごめんなさい。わたし、忘れられない人がいるの。だから、そのバラは受け取れないわ。本当に‥‥ごめんなさい‥」















「やぁ、こんにちは」
「あら、こんにちわ‥‥ふふ、えっと‥」
「ジョルノって名前です。あの、ほら、パッショーネのボスの」
「ああ、ジョルノさん。ええ‥ふふ‥わかるわ。‥わたしの父を倒した」
「わぁ、よくおぼえてますね。あってますあってます。‥‥忘れられている方が嬉しかったですけどね」
「ふふ‥‥」
「あ、そういえば貴女、誕生日だと聞きました。」
「ええ、そうよ」
「ですので、ほら、これを‥」
「わぁ、綺麗なバラ‥‥」
「貴女よりも綺麗なバラです」
「‥‥‥‥相変わらずね、久しぶりジョルノ」
「ええ、お久しぶりですトリッシュ」
「ギャングのボスがわざわざ小娘の誕生日に祝花を渡すだけのためにここに来たの?」
「小娘って‥同じ歳でしょう‥‥?‥‥ええ、そうです。この花と‥これを渡しにね‥」
「‥‥‥?鍵‥?」
「‥ブチャラティの遺産の中に、海辺にある一軒の家がありました。それが、貴女の名義になっていたので」
「‥‥なんですって?」
「ブチャラティが幼い頃住んでいた家らしいのですが、組織に入ってからは住んでないようで。」
「そこじゃなくて‥‥私の名義?」
「あ、ローンなどは安心して下さい。すでに支払われて」
「じゃなくて!‥‥どうして私名義なのよ‥!」
「‥‥‥貴女に居場所を作ってあげたかったのでしょう。自分が死んだ後も、貴女が笑って生きていけるように」
「‥‥‥おせっかいね。」
「ええ。‥トリッシュ、そこの家で住んでみてはどうでしょうか?貴女が今通っている学校もそう離れてはいない。」
「‥考えて、みてみるわ」
「そうですか‥。じゃあ鍵と花はお渡しします。ああ、それと一度見てみたほうがいいですよね。‥‥午後の2時に迎えにいきますので、一緒に行きましょうか。」
「‥‥ええ。グラッツェ。ジョルノ」
「いいえ。ではこれで。‥あ」
「?」
「トリッシュ、お誕生日おめでとう」
「‥‥ふふ、グラッツェ。また後で」

















「ほれ、迎えに来たぜオヒメサマ」
「‥‥あらミスタ。チャオ、‥‥ジョルノはどうしたの?」
「いやぁ、あいつな、高校なって成績危うくてよー‥ま、ギャングのボスと両立っつーのもムズかしいハナシだろーけどよォ‥‥」
「意外ね‥ジョルノは頭がいいと思っていたわ‥」
「いや、頭はいいんだわ。いろんな知識あるしよー‥ただ、数学がなぁ」
「数学‥?」
「俺はハナから数学なんてもん勉強してなかったからわからねぇけどよぉ‥ジョルノがいうに数学って一回でも授業聞かなかっただけでわからなくなるっつーんだ」
「フフフ‥‥ジョルノもそういう事いうのね」
「まぁ、それはそれでいいとして、だ‥‥ただフーゴのやつがなぁ‥それを許さなくて‥‥」
「‥‥‥え」
「あ?」
「‥‥フーゴ‥‥?」
「あ、ああ。そうか、言ってなかったな。‥‥迎えに行ったんだよ、あの闘いが終わって俺らとお前が別れた後。‥‥立ち話も面倒だから早く車に乗れって」
「え‥ああ、はい。あ、まって消臭剤持ってくるわ」
「フーゴに言っとくわ。お前の車臭いんだってさーって」
「なに言ってるの?貴女にかけるのよ?消臭剤」
「まじか」
「嘘よ。‥‥ミントの匂いする」
「えっ」
「(フーゴの)車の話よ」
「‥まじか」
「まじよ。」
「はぁ。じゃ、出発しますかとー」

















「で?」
「あ?」
「フーゴがジョルノの何を許さなかったの?」
「?‥‥‥ああ、さっきの続きか。‥実はな、今日朝、書類の間から、ジョルノのテストの答案用紙が出てきてな、大体書類の仕事はフーゴのやつが任されるんだが、そのフーゴにたまたま見つかってなぁ。しかも“たまたま”苦手な分野な数学のテストだった」
「あらあら」
「点数がよ、57点だったかな?まぁとりあえずそんくらいで、悪い点数取りまくってた俺からしたらそれは悪くないと思ったけどよぉ、やっぱ天才は違ったわ」
「フーゴね」
「ああ。久しぶりにフォークを握りしめながら駆けてくフーゴを見たぜ。「ボスともあろう者が57点?ふざけんなパッショーネの支持を下げるつもりかこのドて‥‥腐れ脳ミソがーッ!」てよぉ」
「プッハハハ!フフ‥‥っっ!」
「それが今さっき俺の目の前で起こったの出来事。今日1日はフーゴ先生が特訓してやるんだってよぉ。ジョルノがお前に謝ってたぜ。」
「そう、気にしないでと伝えといて。あと頑張りなさいなって」
「ああ。」
「‥‥よかったわ」
「ん?」
「みんな楽しそうで‥。フーゴも、乗り切れたのね」
「まさか。あいつはまだまだガキだ」
「どうして?」
「じゃなきゃあ、ジョルノの野郎に勉強教えたがらない。」
「‥‥‥」
「心のどこかでは、求めてるんだよ。冷静や楽しそうに見えても。‥‥お前と同じだ。」
「‥‥‥ミスタも?」
「ああ。‥‥つい先日、‥つっても三週間前だが、‥‥‥気づいたら飛行機のプラモ買っててよぉ」
「プラモデル?」
「ああ。俺、ナランチャの16ん時の誕生日なんもあげなくてさ、その時、来年はぜってー祝ってくれねーとぶっ殺す!とか言われててよー‥‥物騒だろ?呪いとか怖いしなぁ」
「‥‥‥道理でお墓の前にオモチャの箱があったのね。」
「ああ、行ったのか」
「ええ。わたしはオレンジのジャムで作ったお菓子を沢山」
「そっか。ナランチャのやつオレンジ好きだからなぁ。誕生日プレゼント沢山もらってニヤニヤしてたかもな」
「え、でもおかしなものもあったわ」
「算数ドリルだろ?ありゃフーゴだ」
「ええ、でしょうね」
「‥‥涙目だろうなナランチャのやつ」
「再会するころには案外天才になっちゃってるかもよ」
「おいおいフーゴのやつが喜ぶ顔が見れるぜ!」
「ふふふ‥そうね。‥‥‥あ」
「おっ」
「‥‥‥‥」
「見えたな。‥降りる支度しとけよ」
「‥ええ」

















「意外と綺麗なのね。彼はここに住んでなかったってジョルノが言っていたけれど‥」
「たしかたまに帰ってきていたと思うぞ。それで、掃除とかしてたんだろ。多分」
「‥‥‥あら」
「‥‥それって」
「家族写真、‥かしら?」
「まぁ、だろうな‥‥この一枚しかないのか。」
「‥‥‥この子って」
「ああ、俺もはじめて見たなぁ‥‥‥どうした?」
「わたし、この写真に写ってる、無邪気であどけない子に守られて、今を生きているのかって思うと、不思議で」
「おいおい、だれだってガキの頃はある。俺とかよぉ、アバッキオや、オメーのクソオヤジにだってあったんだぞ」
「おえっ」
「おい吐くな」
「ああ、それにしても」
「ん」
「どんな姿の彼でも、今、すごく抱きしめたいの‥愛おしい。」
「‥‥‥」
「わたしね、失って気づくのよ。母の時もそうだった。失って、やっと母の温かさが実感できたの。大好きで、それで愛されてた」
「‥‥‥」
「わたし‥‥わたしねっ、彼が、好きだったのよ‥‥っ‥」
「‥‥ああ」
「好き、なの‥‥今でも‥」
「ああ、知ってるよ」
「‥‥‥ぐすっ」
「‥‥抱きしめるのはいいからよぉ、あまり雑に扱うなよ?子供のブチャラティはそれ一枚しかないんだからよぉ。なんなら俺、胸貸すぜ?」
「‥‥‥‥」
「嘘です冗談睨まないで」

















「海が凄く近いなぁ」
「ええ‥窓からすぐ見えるわね」
「‥‥‥ああ」
「海の匂いがする」
「‥そうだな」
「‥‥彼も、ほんの少し海の香りがしてたわ」
「いい匂いじゃねぇじゃん」
「少しって言ったじゃない。貴方とは比べものにならないくらいにいい匂いだったわよ」
「さいで」
「‥‥‥フフ」
「‥‥‥なぁ、トリッシュ」
「なぁに」
「男はいないのか?」
「口説いてるの?お断りよ」
「心配してるんだよ」
「あら、あなたこそ彼女は?」
「俺はともかく、ブチャラティはそう心配してると思うぜ」
「‥‥‥」
「‥‥あの人は、お前の未来や幸せにこだわってた。‥‥お前が結婚して、子供を産んで、幸せな家庭を築いていく、そんな幸せを」
「‥たしかに、あの人なら思いかねないわ」
「‥‥トリッシュ、俺は、この家に住むのは反対だ」
「‥‥‥どうして?」
「自分でも、わかってるだろ?お前は、ブチャラティに依存している」
「‥‥‥」
「伝えてない想いつーのがぐるぐる行く宛もなくお前の中で溜まり続けてる。だから、他の男を愛せない」
「‥‥別に」
「別にそれでいいってか?いいのかそれで、一生涯孤独でもそれで‥」
「‥‥‥」
「だれでもいい、ただし良い相手を選べトリッシュ。お前は幸せになるべきなんだよ」
「‥‥どうしてアナタが泣いてるのよ」
「あ、あれぇ?俺泣いてんの?」
「‥‥‥ええ」
「うっへ‥かっこつけたのが台無しだな‥!」
「‥‥‥」
「ははっ‥‥俺自身からも、お前の幸せを願ってる」
「‥やっぱり口説いてたんじゃない」
「ばっか、とっくの昔にお前の事は諦めてましたぁ」
「ふふ、抱きしめてあげようか?」
「‥‥へっ!?」
「だが断ります」
「ち‥ちくしょうブチャラティになりてぇ‥」
「うふふ‥」
「別に‥いいや、俺、おっぱいでかい女が好きだしぃ‥」

「あら、モテる女はつらいわね」
「あーあ!はいはい!」
「‥‥‥ふふ」
「‥‥はぁ、‥‥つまり!お前はさ、どっかのカタギの男と恋におちてさ、子供も二人くらい産んでさ、時々俺たちが子供を見にきたりしてさ、‥そんで幸せになるんだよ。」
「‥‥‥」
「ブチャラティの事は忘れないでくれ。でも、それ以外も、忘れられないでくれ」
「‥‥‥わたしは、」


ジジジッ‥‥


「‥‥え」
「はっ‥‥‥」
「今、何か、聞こえたわよね」
「ああ、あれは、‥‥ジッパーの音だった」
「あんた、ズボンのジッパー‥‥」
「い、いやっ大丈夫!つかカッコ良くキメてるときにズボンのジッパー開けるかよ!」
「じゃあ何?わたしじゃないわ」
「なんだって?でもお前の手元にある鞄から聞こえたぞ?」
「何ですって‥?そんな筈、ないわ‥だってわたしの鞄、ボタンで留めるやつよ‥‥?」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「‥‥鞄、開けてみてもいいか?」
「まさか、そんな、だって」
「かしてくれ、トリッシュ」
「‥‥‥だって彼は」

「‥トリッシュ、見てくれ」
「‥‥だって、嗚呼‥!」








そこにあるのは、一本のバラとbirthdaycardで。









「ミスタ、わたしは確かに依存してるかもしれないわ。だって、彼は、こうやって時折離してくれないんだもの‥‥」



愛が残酷だと思ったのは、俺だけだろうか?



『happy birthday‥
I love you,too.』


















―――――――
ジッパー音はブチャラティが鞄の中にバラとバースデーカード入れるために\開けジッパー!/\閉じろジッパー!/した為。ブチャラティは家族愛的な意味のloveです。彼は恋の愛を知らず家族の愛は知ってる。
[追記]恥パ発売前に書いた産物です。食い違いはご了承ください。







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