おはなし 6/26 14:29 ナラフーで悲恋注意 「なぁフーゴ」 「なんです?あ、そこの問題さっき教えたばかりだから間違ったらぶち殺します」 「おぇ怖っ、はいはい」 「で?」 「えっ」 「君が呼んだんでしょう?」 「うぇ?‥‥ああ、そうそう。お前に聞きたいことがあってさ」 「はい、」 「俺のこと好き‥ですか?」 「‥‥はい?」 「だから、好きかって‥‥」 「それは‥仲間として、と捉えても?」 「‥‥‥えっと」 「‥‥君、そっちの気だったんですか」 「違う違う!おまえだけしか!‥‥」 「‥‥‥」 「‥‥‥」 「‥‥へぇ、」 「いや、あの」 「ボクも愛されたもんですねー毎回フォーク刺してるかいもありました」 「‥‥ひでぇ‥悩んで悩んでやっとの想いで告白したのに‥」 「ボクが勉強教えてる時に、君は違う事を考えていたから、毎回勉強が頭の中にはいらなかったと。そういうわけですね、すいませんボクの勉強指導が悪かったんですね、はいすいませんでした」 「‥‥‥なんで告白されてイライラしてんだよ‥‥普通、喜ぶかドキドキするか引くかだろうがよォ‥‥‥」 「どうしてボクが喜んだりドキドキしたり引いたりしなきゃなんねーのですか」 「よくわからないじゃないか‥‥俺の気持ちが、嬉しいのか、嫌なのか‥‥」 「嬉しいですよ」 「えっ」 「えっ」 「そ、そうなのか!?」 「はい。誰だって誰かに好かれるのは嬉しい事でしょう?害がなければの話ですが」 「じゃ、じゃあさ」 「はい」 「おまえは、その、俺のこと、ど、どう思ってたり‥するんだよ‥‥」 「はぁ‥君ですか」 「う、うん‥」 「好きですよ?」 「えっ」 「チョッピリ」 「ちょ‥‥チョッピリぃ!?」 「ええ」 「うう‥‥チョッピリだけかよ‥嫌われてないだけまだましだけど‥‥チョッピリ‥‥ちょっぴ‥‥」 「‥‥ふふ」 「なんだよぉ‥なにがおかしいんだよぉ‥‥」 「あ、いえ、その‥‥この問題、当たってて嬉しかったんです。ちゃんとボクの教えた事聞いていたんですね」 「え?‥ああ、うん」 「じゃ、ここらで休憩にしましょうか。紅茶とクッキーがありますので食べましょう。大好きなボクと一緒に」 「な‥‥!は、はらたつ‥!」 「惚れた弱みってやつです。」 「ううう‥‥‥」 「‥‥‥ふふ」 さぁはやく気づいて 「物わかりが悪い君にいいことを教えてあげます。いいですか?人は様々な受け取り方があって、例えば‥‥グラスに半分の水が入っているとして、Aさんはこのグラスの水を見て、「あと半分しか残ってない」と言った。でもBさんは「あと半分もある」と言った。わかりますか?人によって大きさや重さ、そういったものの受け取り方はそれぞれなのですよ。ねぇナランチャ、意味がわかってきたでしょう?ボク、あなたのことが、少しだけ好きなんです。少しだけ、大きさに例えれば、この星なんか比べものにならないくらいです。宇宙くらいの大きさくらい、そのくらい好きなんですよ。ほんの少しでしょう?ええそうです、ボクね、あなたが好きなんですよ。ええ。やっと、わかってくれましたか‥‥ねぇ‥‥‥おい、‥返事しろよ、おい‥‥」 君の墓石が温かいのだけれど、それはボクの受け取り方がおかしいのだろうか。 ああ、君は温かい。 |