「金、金、金、金を出せ〜」 せんぱいが唄うように呟きながら、チラシの裏にきゅっきゅっとペンを走らせる。 「?」 わけのわからない物騒な歌詞に眉根を寄せると、先輩はピラリと紙を見せてきた。そこには、「強請る」の三文字。 「何て読むんでしょーか!」 眼前に差し出されたその紙を見て、推察。 「えー…ごじょっぱる、とか…」 「ハッ」 鼻で笑われた。 「せっかくヒントを出してやったのに」 「ヒントぉ?」 思い当たる節となると、 「まさかあの歌ですか」 「ああ」 キリリと肯定された。まじかよ。頭を捻らすが、何にも思い付かない。 「はい時間切れ〜、狩屋くん罰ゲーム〜」 「えー…なんスか」 嫌々ながら促すと、 「俺が買い食いしてたのを種に強請り俺の家に来させろと強請る狩屋にキスを強請る」 「いや俺が聞きたかったのは」 罰ゲームの内容じゃなくて答えです、 と言う前に、俺の口は塞がれていた。 _________________ たかる ねだる ゆするって、全部 強請る って書くみたいですね。 [*前] | [次#] [戻る] |