25



ドゴォォォンッ

凄まじい爆発音がして、民家が5棟ほど崩壊する。無惨に焼け出された残骸に、周囲の住民をさっさと避難させておいて正解だったなと山崎は胸を撫で下ろした。

「おとなしくお縄につきやがれ! たぁかすぎぃぃぃぃぃぃ!」

「そんなこと言われておとなしくなる奴なんざ今までいたのかぃ? 副長さんよぉ!」

ドォンッ、ガシャンッ、パリーンッ。
土方は一言発す度に担いだバズーカを乱射して、高杉がそれをひらりと避けるものだから周囲の民家へと被害を拡大させていく。
キレた副長は沖田隊長より容赦がない。
そんなことは真選組隊士ならば暗黙のうちに誰もが知っていることだけれども。

「俺がせっかく早起きして、しかも腰が痛ェのを押してまで作った朝食を残すたぁどういう了見だコラァァァァァ!」

「テメーこそテメーの飯はそのままで美味ェんだからオプションなんていらねぇって何度言やァ分かるんだァァァ!」

「だからマヨネーズはオプションじゃねェ! かけて完成だっつってんだろこの鳥頭がァァァァ!」

まったく、傍迷惑この上ないバカップル共である。
警察とテロリストだなんて敵同士なのを幸い――不幸ならともかく幸いとはかなりおかしいだろうに――と、毎回毎回殺人一歩手前の痴話喧嘩を繰り広げてくれる。
もう何でもいいから、敵と付き合っていることにも文句は言わないから、頼むから部下や市民を巻き込むなと、山崎は目の前の惨状に、ただただ溜め息をついた。




25喧嘩
(「くそっ高杉の野郎逃げやがった!」「………」「まだ帰りに卵買ってこいって言ってねぇのに!」「………」)


 ̄ ̄
ザキごめん 江戸の住民ごめん



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