04



ぴんと張った1本の糸がよォ、震えることで共鳴するんだ。
真っ直ぐで細いその糸がよォ、俺の声をてめえに直接伝えるんだ。

お互い情報の上では知っていても、実質的には初対面。だと言うのに、問答無用で斬りかかってきた好戦的な鬼に、刀を受け止めてそう告げれば、せめて日本語で会話しろ、なんて在り来たりな台詞を返された。
追い込まれたように張り詰めた生き方と、たったひとつの芯だけを貫く在り方が、組み合った刀と刀の伝える振動に共鳴する。
決して曲がることなんざねェくせに、ふとしたことでプッツリ切れちまいそうな脆い防波堤が、逆に俺とお前を近づける。
対峙しているように見せかけて、それは結局見つめ合っているのと同じことだ。
俺はお前を見ているし、お前は俺を見ている。俺の今はお前のいずれ辿るかも知れない未来であって、お前の今は俺がかつて辿ってきた過去なんだ。

俺ァてめえとは違う、だなんざ、どこまでも馬鹿げた反論だ。
そうだろう?
俺の声はお前にしか聞こえねェし、お前の声は俺にしか聞こえねェ。つまり突き詰めれば、俺の叫びはお前を直接揺さぶって、お前の抱える慟哭は俺には手に取るように分かるんだ。
なぁ、土方ァ。
ならば違いはどこにある。

それでもお前が認めねェと言うなら、『こいつ』でしか己を語れない獣同士、血塗られた舞台で喰らい合おうぜ?


――嗚呼、そこでそうやってお前が艶然と嗤ってみせるから、俺たちゃ細い1本の狂気で繋がっているように思えるのさ。




04糸電話
(ハローハロー、きこえてますか?)


 ̄ ̄
かっこいい高杉を書こうとしたんだけど、なんかただの厨n(ry



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