五代目拍手お礼文



視界はモノクロ。きっともう他の色を映す事なんてない。
あの男の纏うアカイロ以外は……。


苦しくて苦しくて思わず呻き声と共に身を捩ると、ジャラリという音が俺の動きを邪魔した。
あの日から外される事のない両腕に巻き付けられた鎖。総悟がよく使ってたようなグロテスクな首輪。いや、そんなモンより、何より、俺を拘束するのは全身に落とされた緋色の烙印だ。
もう戻れない。
こんな穢れた身体で、一体どこに戻るってんだ。太陽のようなあの人と共に居るなんざ、もう赦されねェ。あの光輝く眩しい場所に、穢れちまった俺が帰れるワケがねェだろ。

そう言ったら、アカイロの着物を纏う男は、くつりと嗤って言葉を返してきた。


「そうじゃねェだろ?」

何がだ。

「違うだろ? 土方」

どこが違うってんだ。

「帰れねェんじゃ、ねェだろ」

何を言ってるんだ。

「土方、お前は」

意味が分からねェ。

「帰れねェんじゃ、ねェ」

うるせェ、黙れ。


「なァ、十四郎」

黙れ、やめろ、

「お前はなァ、」

いうな、


「俺を…「黙れッッ!」




シィ…ンと冷えた空気が、窓のない拘束するための部屋に流れた。空が見えないだけで、後は普通の…いや、普通より高級な出会い茶屋の一室と何ら変わりのない『俺の部屋』。
チラリとそこに散らばった昨夜の名残に眼をやったソイツは、次に俯く俺を嘲り見た。
それでも目線を外したままでいると、ククッと頭上からソイツ特有の嗤い声。
そして、部屋から出て行く気配がした。




『お前は、帰りたくねェんだろ』






……んなワケねェだろが。

やっぱ違ェよ、それ。


俺は、『帰れねェ』んだ。

俺はただ、




――漆黒も、銀色も、

アカイロ以外の色なんて忘れちまったから……。




 ̄ ̄
つまり要約すると、土方が好き過ぎて拉致に手を染めた晋助くんと、結局高杉しか眼中に入らなくなったツンデレとーしろ君とのバカップル。←何




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