初代拍手お礼文



「あー、腹減ったァ。土方くーん、パフェ奢ってェ?」

「あ? ふざけんな天パ」

「天パじゃないですぅ。ちょっと個性的なだけですぅ」

かぶき町、昼下がり。いつものように巡察している土方のもとに、いつものように真っ昼間からフラフラとしていた銀時が絡んでいた。
そして、その後ろから、これまたいつものように、とある人物が物陰から二人のやり取りを見つめていた。

「クソッ、銀時の野郎。俺の十四郎にちょっかいかけやがって。大体あいつァ昔から気に入らなかったんだ。ヘラヘラヘラヘラしやがってよォ」

「晋助様、いい加減止めないスか? こんなコソコソするような真似、鬼兵隊のリーダーがする事じゃないっスよ」

そう、こんなストーカー紛いの行為を毎度毎度おこなっているのは、世間を騒がす過激派テロ集団鬼兵隊の頭、高杉晋助だった。

「あ"? また子テメエ、俺に意見する気かァ」

「いや、意見というか……」

「じゃあ黙ってろ。俺ァ十四郎を護衛してんだから」

完璧ストーカーの論理である。こんなくだらない会話が、いったい何度繰り返されただろう。いくら高杉に心酔しているまた子といえども呆れてくる。
それでも付き添いを止めないのはこれがまた子の中でデートに変換されているからだった。
結局のところ、どちらもおめでたい思考回路の持ち主だ。


たまたまテロの準備のために江戸に来ていた高杉が、よりによって真選組副長の土方十四郎に一目惚れして早1ヵ月。
二人に接触はないものの、高杉は毎日欠かさず護衛という名のストーカーをしていた。

「あッ! あの天パ野郎、十四郎の肩に手ェ置きやがった!」

「晋助様、その土方を見つめる真剣な瞳がカッコいいっス」

「当たり前ェだ。十四郎も惚れるに間違いねェだろ?」

「当然っス! 最高っス!」

ストーカー達にツッコミはいなかった。
いつの間にか、また子はいかに高杉がカッコいいかを力説し、高杉は自分を惹き付けた土方の魅力をつらつらと語っていた。
ひたすらヒートアップするのろけ(?)話は留まるところを知らない。




「……土方くん、あそこの電柱の陰のさァ、キモチワルイ2人組どうする?」

「言うな、万事屋」

「でもさ毎日じゃん、いい加減ウザイんだけど」

「ほっとけ、関わるな。たぶん関わったら最後だ」

「でもあれ高杉……」

「気のせいだ、気のせいにしとけ」




今日も江戸の町は平和だった。




 ̄ ̄
初代の拍手お礼文。しかも当時はBookに鍵かけてて、パス無しで読めるのはこの文だけだったとかいうね(^^;




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