高杉「よォ、ハニー。久しぶりだなァ会いたかったぜェ?」
土方「…………」
高杉「いや、キョロキョロすんなや。てめえの事だよてめえの」
土方「あ? 俺の名前ははにーなんかじゃねェし、もしそういった意味でハニーとか言ってんなら精神の安定の為にも俺ァガン無視を希望する」
高杉「あぁ成る程、恥ずかしいのか」
土方「うん、何でそうなった? 恥ずかしいのはてめえの脳内だろ」
高杉「俺の脳内はいつでも十四郎への愛に満ち溢れてるぜ?」
土方「…………(無視)」
高杉「放置プレイはされるよりする方が好みだが……、てめえとならどっちでも興奮するなククッ」
土方「……ゲッ! な、なんでおまッ、こんなとこで盛ってんだよ!?」
高杉「てめえも限界だろうが十四郎、今日は言いてェ事があって来たんだ。ちっと我慢してくれや」
土方「てめえ『も』って何だ。俺ァ1ミクロンも我慢してねェ」
高杉「あぁそりゃあ我慢出来ねェのも分かるがよォ」
土方「してねェっつってんだ、出来ねェたァ言ってねェ」
高杉「俺ァ十四郎……てめえが好きだ愛してる」
土方「うん、人の話聞いてる? ほんとてめえ放置プレイするのが好きなんだな」
高杉「そんな俺らが付き合い始めてもう3年が過ぎたなァ……」
土方「あぁ、付きまとわれ始めてもうそんなに経つのか。よく精神力が持ったな俺、偉いぞ」
高杉「てめえが照れ隠しで斬りかかってくるのも、実は手錠プレイが大好きなのも、数日会えねェぐれェで必死こいて俺の隠れ家を探すのも、俺ァ全部愛しくてしょうがなかった」
土方「……今までの捕縛の努力はそんな腐ったフィルターを通されて解釈されてたのか」
高杉「てめえが俺を愛してる事も知ってらァ。だけどな十四郎……俺らは敵同士なんだ」
土方「大丈夫だ。俺にてめえへの愛はこれっっっっぽっちもねェからな」
高杉「大丈夫じゃねェんだ。いくら愛し合ってても大丈夫じゃねェんだ」
土方「都合のいいとこだけ拾うのやめてくんない?」
高杉「俺ァやっぱり世界をぶっ壊す事をやめられねェ! 先生を奪ったこの世界を許すなんざ出来ねェんだァ! そこに愛しい恋人が暮らしていようともッッ!」
土方「こんなにシリアスな台詞をここまでギャグに昇華出来るお前ェすげェよ」
高杉「……だからよォ十四郎、もう会えねェ。てめえは…最期まで護り続けるんだろォ?」
土方「会話成り立ってねェよ。もう俺いらなくね? 一人で喋ってたって変わらなくね?」
高杉「…ククッ分かってるさ、自分を押し殺してでも唯一と定めた大将を最期まで護る。それでこそ土方十四郎だ……」
土方「なんか腹立つなこいつ」
高杉「ふ、今度会う時ァ…殺し合いだな」
土方「今度も糞も、俺ァずっと殺し合いのつもりだったんだがなァ…」
高杉「じゃあな、鬼の副長さんよォ」
スタスタスタ
土方「なんか知らんが、あのクソ電波野郎から解放されてよかった、うん」
 ̄ ̄
最後まで噛み合わないふたり