実は俺達…あれなんです。 | ナノ

タイムスリップする前の話


タイムパトローラーってのは所謂歴史の管理人みてェなモンだ。
タイムマシンや青い猫型ロボが普及した今じゃ、地域の治安を守る警察以上に重要な役割だ。
ほら、勝手に自分のいいように歴史をいじくられちゃァ困んだろ?

あ、済まねェ申し遅れた。俺ァヒジカタ・トウシロウってんだ。一応さっき説明したタイムパトローラーをやってる。
てきとーに近場の大学に行って、だけど面倒臭ェからさっさと卒業しようとスキップしまくってたら、その優秀なズノーがどうたらとか言われてスカウトされたんだ。
まぁこの仕事給料いいし、シンスケっつーメッチャかっこいい恋人とも出会えたから、つまり俺って超ついてたよな。


んでよォ、最近とある組織が歴史を変えようと――なんでかは知らねェけど――してるらしくって、しかもそれがあの歴史上の英雄『坂田銀時』を殺す事によってだっつーじゃねェか! これはマジ許しちゃおけねェだろ!?
坂田銀時といやァ攘夷戦争と明治維新の頃にに活躍した侍で、坂田銀時がいたから今の俺達も天人に搾取される事なく武士の魂を持ち続けられるんだ。
とにかく坂田銀時は、特に俺みてェに剣道やってる奴にとっちゃァ憧れの侍なんだ。

つまりネシンだ。間違えたネ申だ。


だから俺は早速上官の元に行って、俺に坂田銀時を守る任務に就かせてくれ、でねェと今プログラミングしてるPCの開発を中止するって宣言してやった。
あれは俺が開発を一手に引き受けてるからな、あっはっはー! ザマァ見ろー!
予想通りあのクソ上官はメチャクチャ渋ってたが、最終的になんとか許可がおりた。




「…ってワケで過去に行くことになった」

「な!? トウシロウお前、恋人の俺を置いてくのか!? 俺より坂田銀時を選ぶのか!?」

「落ち着いて下さいってシンスケさん。トウシロウさんが突拍子もないのは今に始まった事じゃないし、トウシロウさんは結局あんたにベタ惚れなんですから」

「メ、メガネお前ェ……」

「いや、そこでメガネはないよね」

「そうだな、結局トウシロウは俺にベタ惚r…「いや、単にシンスケより坂田銀時に会いたいだけなんだけど」

「う、うわぁぁああぁあぁん!」

「あ、ちょっシンスケさん! あんたせっかく僕がフォローしたのに何してくれてんだァァァァ!」


そんなこんなで出発当日、「俺もこの任務に参加する事になったぜェェェェ!」と、駆けてくるシンスケと何故か頭にたんこぶを作った上官がいた。

うん、ああ言やァシンスケは来てくれると思ってたぜ。

幾ら坂田銀時に会えるとはいえ、一人で過去に行くのァ寂しいし、だからって全然知らねェ連中と組むのも御免だからな。


「……あんた悪女だ」

煩ェよメガネ、俺ァ男だ。
相変わらず馬鹿な!


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -