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空を飛んだ与作


トウシロウさんが突然、キラッキラした目でクイズを出してきた。


「第1問! ジャージャンッ(効果音)、うさぎとうなぎの違いは何でしょう?」


あ、そういえば醤油きらしてたんだっけ。と、万事屋の食品状況に思考を向けると、横からシンスケさんが肘鉄を食らわせてきた。
眼鏡割れたらどうするんですかバカヤロー。あ、馬鹿だもんね仕方ないか。


「おい誰が馬鹿だてめえ」

「シンス…あ、すみませんごめんなさい肘はやめてください結構痛いんで」


腕を曲げ、脇に手を当てる感じで、肘を見せつけるようにワキワキするシンスケさん。ちょうど鳥の羽ばたきみたいな動きだ。そんな優雅なものじゃないけど。
言っとくけど何もかっこよくないからなそのポーズ。ドヤ顔すんな。


「そんなことより、てめえ何トウシロウの質問無視って別のこと考えてやがる」

「答えるのが果てしなく面倒臭いからです」

「だからって無視したらトウシロウが可哀想じゃねェか!」

「だったら自分が答えてやればいいじゃないですか!」

「…………頭いいなお前ェ」


お前が頭悪いだけだけどな!

殴られ損の僕を余所に、シンスケさんはトウシロウさんにいそいそと擦り寄っていった。
最初っからそうしろよ。


「なぁシンスケ。お前はうさぎとうなぎの違いって知ってるか?」

「真ん中の文字が違うとかかァ?」

「誰がそんなガキ臭ェクイズ出すかよ」


誰からどう見ても十分ガキ臭いトウシロウさんが拗ねたような声を出す。


「じゃあ…うなぎは食えるがうさぎは食えねェ、とかか?」

「はぁ? うさぎも食いモンだぞ」

「……………そ、そうかよ」


さらっと放たれた不穏な発言にシンスケさんは軽く涙目だった。
あの人、ああ見えて実は小動物とか好きだからなぁ。確か鬼兵隊のアジトの自室でこっそりウサギ飼ってるとか言ってなかったっけ。その上へたれだし。


「ブッブー、はい時間切れー。正解は、うなぎは飛べねェけどうさぎは飛べる、だ」

「いや、うさぎも飛べねェよ」

「フッ、知らねェのか? うさぎはなぁ1羽2羽って数えるんだよ! 鳥の仲間なんだよ!」

「俺が知ってるのァてめえの馬鹿さ加減だけだ」

「あ、信用してねェな。いいぜ証拠見せてやる」


綺麗な笑みでそう言って、トウシロウさんは懐の四次元ポケット――主にマヨ容れと化している――から、うさぎを取り出して……、




「そぉれ行ってこーい」

「うわぁぁぁぁ与作ゥゥゥゥゥ!」


きゃはきゃは笑いながら、投 げ た 

…って、与作?


 ̄ ̄
うちのシンスケは自室でウサギ飼ってるそうです(´・ω・`)←



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