実は俺達…あれなんです。 | ナノ

第三訓+

<ジャンプは時々土曜日に出るから気を付けろ。まぁ月曜日の楽しみがなくなるけどな!>


「…って『〜 Fin 〜』じゃねぇよ小説気取りかメガネェェェェェ! 報告書の意味分かってんのかぁ!?」

なんで間にモノローグ挟んでんだこの馬鹿!?
誰がてめえの任務に就く理由なんか訊いてんだ欠片も興味ねェよ知りてぇのは事実だ、実際にあったことを脚色せずにあるがままに知りてぇんだ余計な主観を入れるんじゃねぇよ馬鹿。

俺は思わず報告書――という皮を被った別物――に向かって、吸っていた煙管を投げつけた。
それは僅かに焦げ目を付けただけで、燃え消えてはくれなかった。死ね。


坂田銀時に刺客が送られたとあって臨時会議を開いた。
それはいい。だが、何故俺が集合場所の出逢い茶屋の一室に着いた時には、既に先に来ていた馬鹿二人が中で漢字ドリルをやっているなんて状況になってんだ? しかも小学一年生レベルの。

ぇ何こいつら、なにしてんの? アタマダイジョウブ?

ニヒルでミステリアスな『高杉晋助』のキャラを完全に忘れて、目を点にしてパッカリと口を開ける俺を余所に、なんか馬鹿な馬鹿共は、果てしなく馬鹿な会話を繰り広げている。

「あ? シンパチぃ、『こいぬ』の『いぬ』ってこうだっけ?」

「違いますよ、これじゃあ『大』ですって。ここにこうやって点を付け足して……」

「こうか?」

「ぶはっ、ちょ、これ『太』じゃないですか!『子太』って何これ小さいのか大きいのかどっちなの!?」

「バッお前笑ってるけどな『太』って小一で習わねェんだぞレベル高いんだぞ。すげくね? 書ける俺すげくね?」

すげくねェよ! そもそもてめえは小一じゃないだろ!? こんな色っぽい小一がいてたまるかってんd…ごほんごほん。じゃなくて脳ミソ具合は小一にも劣るぜ!
メガネについては興味ねェから知らねぇが、俺の愛しのマイハニーは、その気になれば漢検一級ぐらい楽々採れる力を持っている。だけど普段は一般人より遥かに優秀な頭をあえて使わないようにしてるっていうか、とにかく馬鹿だからホントどうしようもない。
可愛いがイラッてくる、イラッてくるのに可愛いんだよ。なんだこの新感覚のジレンマ。
これでいて、トウシロウは真選組ではワーカーホリックで通っているつーんだから世の中絶対ぇ間違ってるだろ。だってこいつ“俺らの時代”では、タイムパトローラー1のサボリ魔として名が高い。かつて会議に出席したくないとか言って、会議室を――もちろん無人の内にだけど――爆破したんだぜこいつ。犯人は未だ捜索中なんだ、とか何とか、ものっそい綺麗な笑みを浮かべたトウシロウがこの前言っていた。犯人に犯人捜しを命じてる時点で、この事件が解決することはないだろうな。上層部も馬鹿だ。嗚呼、上も下も中間も馬鹿ばっかだ。


「……帰ろ」

真剣にこいつらをこの任務に就かせるメリットが分からねぇ寧ろ邪魔じゃね?


「っていうかトウシロウさん、自分の名前のとこ『肘方』になってますよ? 『土』でしょ『土』」

「はぁ? 何言ってんだシンパチ。『土』は『つち』って読むんだぜ」




…………『肘レンジャー』ってギャグじゃなかったんだな。


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -