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04



教室、食堂、校庭で訊いたわけですが…。さてさて、次は誰に訊こうかな…。曲者という想定外の人にも聞いてしまったが、まぁ問題はないか。
うーん…突撃!云々と題したわけなんだから手当たり次第聞いているけど、何故か忍たまに中々遭遇しないな…。
うーん…どうしよう…うーん…。

「お?そこの忍たまくん、どうかしたのかー?」

?忍たまくんというのは私の事だろうか?

「そうそう。さっきから頭抱えて悩んでいるお前の事だ!」

おお、私の事か。なるほど、なるほど。
…って、私に声を掛けたのは誰だ?!
辺りを見渡しても誰も居ないぞ?!上級生である私でさえも分からないとは、なかなかの腕前ということ。まさかあの曲者とは違う曲者?!
そう思った時、ふと視界に映った人影。ちらり、とそっちを見れば縁側でのんびりとお茶を飲んでいる人が。

「こっちだこっち。いやぁ、一人で百面相しててつい気になってな!」

えーっと…どちら様でしょうか?

「あれ?俺の事分からないのか…?」

はい。初対面だと思いますけど…。…私の中じゃ。

「四年生の制服だから一応認識はあると思ったけど…まぁ仕方ねぇか」

その言い方ですと、もしかして貴方は忍術学園の卒業生ですか?

「おう!一昨年だったか?に卒業してな!」

うーん…すみません。あまり記憶がなくて…。

「まぁ気にしてねぇよ!それで、どうしたんだ?さっきからうんうんと考え事していたみたいだが…」

あ、おお!!そうでした!!思い出しました!
いやあ、ちょっと今日は自分の好奇心のためだけに学園を奔走してまして!

「好奇心?」

はい!とある忍たまに関して色んな人から聞き回っているんです!

「とある忍たまってのは?」

卒業生の方でしたら交流はありそうですよね…。たぶん知っていると思いますよ。
雲雀恭弥先輩についてです。

「ああ!恭弥の事について聞いてるのか!」

お!その反応ですと、雲雀先輩と交流があったのですか?!

「おう、まぁな!それで、お前は恭弥について色んな忍たま聞いてるわけか」

はい!もしお答えできるのであれば答えてくれませんか?
突撃インタビューみたいな形式なので。

「おう!構わねぇよ!」

ありがとうございます!
ではさっそくですが、雲雀先輩とは関わりがあったようですが、今でも交流はあるのですか?

「俺が卒業してもあるな!アイツ、使えるものは何でも使うからさ!先輩だっていうのに俺をこき使うんだからな〜」

お、おう…。それは、嬉しい事なのか分かりませんが…結構親しいようですね…。
では次の質問です!
雲雀先輩について、何か知っている事を教えてくれないでしょうか?

「知っている事か?うーん…俺が知ってる事って、ほとんど忍術学園に居る奴は知ってるはずだろうなー。アイツが学園で一番強いって事とかさ」

そーですねぇ。入学当時から色々と聞かされた覚えがありますねぇ。雲雀先輩に関する噂なんて、ほぼ毎日あったような気がしますね。

「だろだろー?だから俺から教えることってのはそんなにないんだわ。けど、そーだな…、アイツが成長しているっていう事は俺が一番知ってるかもな!」

?成長しているのは皆さんではないのでしょうか?

「見た目や技術の成長は、そりゃあ自然とあったり学んだ分成長するさ。けど、何て言ったらいいんだろうな。恭弥は、少しずつだけど変わって行っているんだ」

変わっている…。

「おう。ただ強い奴を倒したいだけじゃなくて、何かを守りたいとかそういう気持ちとかがな!まぁ、俺と三日間も戦ったってのに、まだ体力が有り余るような奴だっていうことが俺から言えるな!あとは、恭弥はそういう気持ちとかはそう簡単に見せないだろうけどな」

へぇ!!凄いですね!三日間も戦ったんですかー!
……って、え?

「おっと悪い!今からもう次の仕事が入ってるんだわ!まだ質問あったならまた今度な!」

え、ちょっと!?待ってください!?
貴方って一体誰…って……行っちゃった…。なんか、妙に爽やかな人だったな…。あんな人いたのか分からないが…いたような気もする…。
ってか、三日間も戦ったってどういうことだよ。
仕方がない。もうあの人は去ったから聞くのは出来ないからあきらめるか…。

「ねぇ君、何か落としたよ」

え、あーすみません!それはとても大事なものなんです!

「それって、さっきから他の忍たまに色々と僕の事を聞いているのと関係あるのかい?」

ええ!今日はずっと先輩のこ、と……おぅ?!

「ふーん…。文次郎や仙蔵、三郎に勘右衛門、庄左エ門に…雑渡昆奈門。……へなちょこにも…?……ずいぶんと面白い事しているようだね」

ひっ、ひひひひひひひ雲雀恭弥せ、せせせんぱぱぱっ…!!!!

「こそこそと僕の事を訊き回っているっていうことは、よほど暇人だと見れるね。そうだ。僕も退屈していたんだ。僕と少し手合せしようじゃないか」

めっ!!!!めめめめっそうもございません!!雲雀先輩直々に誘ってくださるのは至極光栄ではございますが私なんかのために時間を取るなんてことしなくていいんですよ?!

「そうか。じゃあ…」

よっしゃ!先輩から逃げるぞ!

「君を今すぐ咬み殺そう」

ありがとうございま、…って…えぇ!?!?

「遠回しの言い方は面倒だ。気持ちはストレートに言うべきだね」

そんな気持ちをストレートに言われても嬉しくな、ぎゃぁあぁああ!!!!!!





報告:雲雀先輩怖い。

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