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02



…あ、すみませんでした。はい、話を戻したいと思います。いやぁ本当に申し訳ないですね。すみません。

「……」

…なんですかその目は。別に怖いとか思ってるわけじゃないですからね!

「おいだだ漏れだぞ」

はいはいはい!!もう話を戻しますよ!!何もツッコまないで下さいね!さっさと別の人のも聞きたいんですから!!

「もとはといえば…」
「文次郎。いちいち突っかかるからお前はモテんのだ」
「ンなこと関係ねぇよ!」

はいお二人ともさっきみたいになりますからストップです!
続きまして、次の質問です!
今はこうしてお二方は雲雀先輩と一緒に行動していますが、昔と違うなぁみたいなことってやはりありますか?

「昔と違う…といえば、」
「…あれしかないな」

?あれとは…?
何かお二人に共通することでもあるので?

「俺と仙蔵…というか、六年生なら全員同じ回答をするだろうな」
「恭弥が変わったと思うのはそれしかないからな」

そこまでお二人が言うのであれば、是非とも声を揃えてお答えください!

「「俺(私)たちと一緒に居ても蕁麻疹が出なくなったこと」」

……ン??
蕁麻疹…ですか?

「知らんのか?」

えーっと…雲雀先輩は蕁麻疹をお持ちで…?

「…恭弥の体質はとことん異様でな。たくさん人が群れているところにいると蕁麻疹が出るそうなのだ」
「そんな恭弥だが、俺や仙蔵、ろ組の七松小平太と中在家長次。は組の善法寺伊作や食満留三郎と一緒に居ても蕁麻疹が出なくならなくなったんだ」
「それが恭弥と仲良くなったという証拠のように思えて、昔は皆で大喜びしたものだ」

は、はぁ…。なんちゅー体質の持ち主で…。

「だから、今となっては恭弥は私達の大事な友人であり共に切磋琢磨し合う仲間…というところだな」
「こんな事、本人が聞いたら咬み殺されるだろうけどな」

うわぁ、すごく予想がつきますね…。
けどありがとうございました!こんな私情にお付き合いして下さって!

「構わん」
「くれぐれも恭弥には見つからないよう気を付けろよ」

はぁい!気をつけまーす!!




**************************


さてさて!次にやって来ましたのは忍たまと遭遇する高確率な場所である食堂に来ております!
食堂の主であるおばちゃんはすでに居ないようで、小腹が空いた忍たま達が各自で何かを作ったりしている様子ですねぇ…。というか、長屋のほうにも台所はあるのだからそっちで何か作ればいいのに…。
って…あれ?あそこにいるのは…。

「おい勘右衛門、まだ食うつもりなのか?」
「んーだってけっこう腹減ってんだよー。さっきまで実習だったんだからさー」
「いやそうだとしても、だ。…それで何本目だ…」

おーっと!!食堂の隅で休憩をなさっていたのは五年い組学級委員長委員会の尾浜勘右衛門先輩とろ組の学級委員長委員会の鉢屋三郎先輩ではありませんかぁ!!

「ん?」
「?」

思わず叫びながらの紹介をすれば私のほうに目を向けた先輩お二人。
そこで気付く。尾浜先輩が竹串をくわえている事に。

「おお!どうしたんだ?」
「ひゃにひゃひょうひは?」

鉢屋先輩こんちわ!そして尾浜先輩、何を言ってるのかさっぱり分かりません!

「あー…何か用か?って聞いているんだ…」
「んぐっ…。…そうそう。で?どうかしたのか?」

おお。流石学級委員長委員会コンビですね。私ぜんっぜん分からなかったですよ。
あ、尾浜先輩お茶をどうぞ飲んでください。

「お!ありがとな」
「それで?改めて聞くが、何か用か?」

おお!そうでしたね!!
いやあ、実はかくかくしかじかでして。

「…お前、勇気あるな…」
「バレたらお終いだと思うけど…」

それは百も承知です!!
ですが好奇心には負けました!!

「あ、そう…」
「それにしても、恭弥先輩についてかー…」
「…こう改めて先輩について考えた事が無いからなぁ…」

まぁまぁ!渋るのは分かりますが、私の好奇心を落ち着かせるためだと思って!!どうか教えてください!!

「……そうだなあ。恭弥先輩はやはりお強いな」
「第一にそうくるよなぁ。後は怖い印象が強かった」
「それもある。…けど、あの人の実力を一度この目で見てからは、ただの恐怖よりも畏怖が大きかったな」
「忍術学園を一等思っている恭弥先輩には恐怖なんて存在しない。俺達はあの人の後ろ姿を追いかける事しか出来ないんだろうなぁ」
「こうして同じ委員会にいると、少しずつだけど恭弥先輩の事が分かってくるしな」
「あ!それで思い出した。恭弥先輩、小動物がけっこう好きみたいでさ、この間裏山で恭弥先輩いつも連れている黄色いトリ以外と戯れてた!」
「黄色いトリ…?…ああ!ヒバードのことか!」

ヒバード?それはなんでしょうか?

「恭弥先輩といつも一緒にいる黄色い小鳥のことさ。恭弥先輩が“ヒバード”って言っていたから間違いない」
「そうそう!それでさ、そのヒバード以外の鳥が恭弥先輩の周りを飛んでて、全然嫌そうにしてなかったんだよ」
「本当か?!あの群れる事を嫌う先輩が…!」

うーん…小動物のような生き物は好きなんでしょうかねぇ…。

「さぁな。それはそれで怖いけどな」
「想像したらなんか恭弥先輩じゃなくなった」
「とにかく。私達から見た恭弥先輩のことは以上だ」

無理やり終わらせましたね。
けど、そうですか…。ふむ、なるほど…。
つまり、尾浜先輩も鉢屋先輩も雲雀先輩の事が怖いけど憧れの存在であり、そして追い越したい存在。というわけでしょうか?!

「合ってるようで合ってない気がするが…まぁ、そう捉えてくれてもいいだろうな」
「なんか恥ずかしいな。あ!地味にメモしてるけど、それ絶対に恭弥先輩に見つからないようにしろよ!?」

分かってますよ!そんな事ないようにしますから!
お二人ともありがとうございました!
それじゃあまだいろんな人に訊きたいので、私はこれで失礼します!
尾浜先輩、お団子はほどほどにしたほうがいいですよ!

「えー!まだ五本目なのにー?」
「いやいや食べ過ぎだ!」

後ろで聞こえる二人の会話をスルーして、次の場所へと行くとしますか!!

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