影と日の恋綴り | ナノ
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 助けて

「………」

暗い、部屋の中。
今日は学校じゃ生徒会選挙演説があるはずだったような…。たしか、冬青が清継くんの演説を楽しみにしてたっけ…?原作でも、彼は色々とやらかして逆に怒られたくらい凄かったんだよね…。
まぁ、裏ではリクオが舞台でやらかしてただけなんだけどね…。

「っ……」

ごめんね、冬青。
約束守れなかった…。

「っ、ぐ、ぅ……」

ジャラリ、と腕を動かせば同時に聞こえる金属音。冷たい空間に響き渡る無情なその音に、気のせいか身体が冷えた。
嗚呼、どうしてこんなことになったんだろう…。
この、力が…いけなかったのかなぁ。

「ふっ、う……」

怖い、恐い、コワい、こわい、コワイ…。
本当は守らないといけないのに、助けないといけなのに、強くないといけないのに。

「…け、」

痛い、辛い、苦しい、気持ち悪い。

「…け、て…」

痛みが体を襲う。
辛くて涙が零れそう。
苦しくて死にたくなる。
気持ち悪くて、自己嫌悪したくなる。
ねぇ、リクオ…。

「た…け、…ク…」

ごめんなさい、ごめんね。
辛いの、苦しいの、怖いの、恐ろしいの。

「助けて、リクオ…」

頼りない姉でごめんなさい。

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