※喰ってはいないが喰った話


俺の友人はプライベート時、放っておくとなにかに構わず□を口に含む。「おいしいよ」と言って腹を空かした動物のように貪り喰う姿は、まともな人なら酷いショックを受けてもおかしくはないだろう。ここの辺りでは特に調理をしなくとも喰えるのが普通だが、ある時他の国の人に「よく加熱をしないで食べられるね」と言われたことがある。それ以来せめて土が付いていたら払うように、お国以外の物は不衛生である可能性があるので生では食べさせないように目を見張っている。
俺がどんなに口が酸っぱくなる程アイツに言い聞かせても、食欲には勝てないのかしょっちゅう俺の助言を無視して喰う。「おいしいよ!ウィンディも食べる?」なんて言葉に笑顔を添えて言われるといつも俺は流されてしまう。俺は甘いんだ。
「そんなことで悩んでいたのか?」
「へ?」
そのことをゴーシュに話したところ、軽快にそう返された。からからと笑うその姿に、自分が考えているほど気に掛けることではないのかもしれないと思った。
「そう言えばロココが□□□□□を喰っていたから俺も喰ったんだけど、あれは美味しいな。可愛いけど」
そんなことは無かった。


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