※タイトル通り
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例えばそこにいた君の前に突然俺があらわれた。
君は全く興味がないみたいで俺に頭を垂れたままなんだ。
もしかしたら寝ているのかもしれないと息をとめて耳をそばだててみるけれどまるで呼吸をしていないみたいに静かだった。
だから君が死んでしまっているのかもしれないと、慌てて肩を掴んで揺さぶろうとしたんだけれど俺が体を屈めた途端、君は音もなく立ち上がった。
君は中腰の俺を冷めた目で見る。
そんな視線に綺麗だなと見惚れることはなく、俺はどんな眼差しであろうと見つめられていることが恥ずかしくて目を逸らす。
君が鼻で笑ったような気がしたから体勢を戻すとあちらの方へ歩いていく姿が映った。
俺はもっと君と一緒にいたかったからその服の裾を少し掴んで引き留めるんだ。
君は足を止めてはくれたけれど、とても面倒くさそうに体を揺すって溜め息を吐く。
そんな君をもっと困らせたいと思って後ろから抱き締める。
すぐに抗議の声を君の背中越しに感じた。
それでもしっかりと前にまわした手は君の服を掴んで離さない。
俺はこんなに積極的だったろうか。
しかし君のことを考えると確かに自分は正常を失うのだった。
そんな俺に君は苛立ちが沸点に達して突き飛ばすんだ。
かなわないとわかっているから苦しいけど、それでもこんなに燃えるのは、俺の好きが思っている以上に強いからなんだなと思う。


「………」
目を覚ますと酷い疲れと罪悪感に襲われた。体がダルい。それとなくワケはわかったが呆れを通り越して情けなく思う。自分の下心。
ひとまず処理をするために体をベッドから起こすと窓の外の月が明るかった。内心、カーテンくらい閉めてくれよと、向かいのベッドで横たわる同室の奴を見た。
ああ、夢の続きでも見たいなと不謹慎な考えが浮かび、処理をする事をやめて再び毛布の中へと潜り込んだ。


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片思い鳥羽くん。

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