帝国学園(GO帝国/考察)

私は公式の帝国学園敗北が、是が非にでも納得できない。およそ当時の雷門に勝機なんてものはない。端からない。もし、万が一にでも雷門が勝利できるのだとしたら、それは雷門の方が強かっただなんて笑わせてくれる理由ではないだろう。帝国の状態が万全ではなかったのだ。帝国の状態が万全でない=雅野の不調は歴然としたもので、それ以外に納得のいく説明が私の中ではつけられない。
前半戦、雅野は神童くんの固有技を素手で止めた。それは正ゴールキーパーたる職務についたが所以を視覚に伝えてくる。ならば、何故パワースパイクが一度たりとも決まらなかったのか。私は、何かに強迫されていたのだと考えている。試合後の感じから察するに、雅野はレジスタンスを認知しており、また雷門との試合で帝国学園に潜むシードを露わにしようと考えるその旨を鬼道ちゃん自体から聞かされていたのではないか。無論、退学の件も前提でだ。そのことは心のとっかかりとして雅野の中で渦巻いて、そのまま試合に出た雅野はいつもの力が出せない。何故なら彼はまだ子供だ。「仲間」とは旧帝国にせよ、現帝国にせよ最初はちっぽけな意味合いしか持っていないように見受けられる。もし、ある条件の下でそれに気がつけたのなら?雅野は一体どうしたのだろう。鬼道ちゃんが言うから敵?シードだから敵?しかし、その間にもし友好的関係があったのなら、彼は戸惑わないはずがない。それがあの試合でのミスに繋がった。
実質、雅野がパワースパイクを出し始めたのは後半戦。それも龍崎と御門が化身を出現させた後だ(この頃はまだ、シードでない人間で化身を出現させられるのは雷門生しか認知がない)。動揺が隠せなかったのだと考える。だから、天馬のシュートに反応してパワースパイクを発動させるも失敗。マッハウィンドが決まったのは、フォルテシモより消費するTPが高かったからか。だとしてもおかしい。素手でシュート技を止めた雅野が、ユーティリティープレイヤー然りな超万能型MFの天馬の強力であるはずのないシュート技を止められないはずがない。動揺があったとしか考えられない(帝国学園である以上、自ら雷門の肩を持つとも考えられない)。その後も雅野の失態は続く。言及するまでもない。何故なら途中から、幾らなんでも公式がいい加減な構成になっていたからだ。
ハーフタイムの際既に、佐久間はシードを特定していた。四人を見るあの目は正に星を見つけた。そう言わんばかり。鬼道ちゃんは後半戦、集まり会話をする四人を見て、彼らがシードであることを特定していた。雅野は、ハーフタイム中佐久間に耳打ちされた、もしくは薄薄感づいていたか。
可能性の話だが、前半戦神童くんのフォルテシモを止めた時、雅野は「帝国を嘗めるなよ」という発言をしている。この時点で勝気はあったのだ。更に深読みすると、この言葉は木戸川清修の滝総介が毒突いていた内容に良く似ている(やはり、目に見えて実力の差は歴然としたもので、雷門の勝機など鼻で笑えるほどになかったのだ)。何故、帝国学園は雷門に負けることが出来たのだ。月山国光のように納得のできる試合にして欲しかった。こんなの絶対におかしい。帝国学園から一年だけで得点をもぎ取ることができるなんて、本来ならば有り得なかったはずなんだよ。

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