注!(激しく魔女パロ not女体)


「お前って本当…なんで俺がいると図ったみたいに、こういうことばっかすんの」

 俺の身体がいくらあっても足りねーよ。ザキさんの怒ったようなむしろ呆れたような声が耳元でしてしゅんと項垂れる。どうして自分はこうも出来そこないなのだろうか。椿は身近にあった布をぎゅうぎゅうと掴んで溜息をついた。そこで、ふと、今の自分の状況を思い出しカッと目を見開く。案の定、目前には人間化した赤崎の顔で掴んでいるのは赤崎のピシリとアイロンのかけられているシャツ。勿論掴んだことでシャツはそこだけくしゃくしゃになっていた。

「すっ…すみません!!!!わっ…あ!…ザキさん焦げてっ」

 数分前までは汚れ一つなかった黒色のスーツの袖口は黒く焦げ、煤けていた。そこで漸く何が起きたのか理解する。さっきまで薬の調合をしていた。はずだった。午前中の宅急便は済ませたから、ザキさんとご飯を食べて、頼まれていた薬の調合をいい加減済ませておかなければならないと思って午後の宅配の前に済ませようと思ってキッチンに立った。なのに、気付いたら部屋の端から端へと吹っ飛ばされていた。相当爆発したと思ったが被害はそんなに大きくなかったらしく、コンロの横に置いてあったお玉がぐにゃぐにゃになっているのがここから見える。吹っ飛ばされた割に身体の何処も痛くは無いのはきっとザキさんが助けてくれたからで。そこまで無駄に考えを廻らせていて漸くもう一度呆れたような赤崎の顔を椿は至近距離で見上げる。

「っっっ!!!!ザキさんすみません!大丈夫ですか?!怪我とかっ…ああああ!尻尾!耳も!なくなっちゃってますうわああ!!」
「落ち着け。収納してるだけだろ馬鹿」

 赤崎は椿の両の頬を片手で挟み黒色の耳と尻尾を出しゆるりと振った。椿はそれを見て胸を撫で下ろし赤崎から離れる。赤崎はヨレヨレになったシャツとネクタイを戻してから一つ咳払いする。すると一瞬で赤崎は黒猫の姿に戻り空中でクルリと一回転して床にストンと降りた。それに感心したかのように椿が間抜けな顔をして手を叩くものだから、赤崎は真っ黒の毛を逆立てて早く片づけをしろ!と怒鳴った。

「すっすみません!!」

 置いてあった机に足を引っ掛けながらも椿は黒焦げのコンロへと走る。が、カアという鳴き声とともに黒焦げとおまけにお玉も元通りになっていた。その場に立ち止まって疑問符を浮かべる椿に赤崎は椅子を経由し机へと登り電灯にとまっているカラスへと言葉を投げた。

「本人にやらせねーと意味ないんじゃねーッスか」
「いーじゃないの誰がやろうと大したことないよ、それより早く薬を作って貰わないと、俺も配達出来ないんだよね」

 バサリと羽音が響いて椿の真後ろに真っ黒なスーツを着崩し人間化した持田が降り立った。そのまま綺麗になったコンロをマジマジと見ていた椿を後ろから抱きしめ首筋へと顔を埋める。

「あ…の…」
「ねー椿くん…早くしてくれないと苦情が来ちゃうよー」
「あんたが勝手に椿に薬の調合させてんだろ。椿は薬学は苦手なんだよ」
「うるっさいね、猫くん。俺が主人と見込んだんだよ、こんぐらいのことオールマイティーにこなしてくれなきゃ困るんだよ」
「なんだと」
「なーに?…やるってーの?」

 それなら容赦はしないよ。と持田が椿から離れてコキリと首を鳴らしながら、机の上で毛を逆立てて牙を見せる赤崎へと近寄る。

「猫は鳥を仕留めるのがうまいッスからね」
「は、カラスは光りモノに弱いからね、目ん玉に気を付けなよ、まあ濁りきってるけどね君のは」

 今にも飛びかかりそうな一人と一匹の耳に、パチン、と、妙に乾いた音が響いた。二人は音のした方に目を向ける。そこには両手を顔の前で合わせ、二人の視線に些かビビった顔を見せる椿だった。何してんの椿くんと言う持田の言葉に椿は叩いた両手を真っ黒のワンピースの後ろへと隠した。

「や、その…喧嘩は駄目ッスから…その…」

 視線を足元や宙に忙しなく動かしながら椿はボソリと呟いた。それにイラッとしたのか赤崎が椿の肩に飛び乗り、オドオドするんじゃねぇと耳元で叫ぶ。そのやり取りにやれやれと肩を竦め、持田もカラスへと姿を変え椿の頭の上に降り立った。

「調合見ててあげるから早くやりなよ」
「ええ、もう配達の時間ッス」
「じゃあ、今日は俺が椿くんのお供するよ」
「なーに言ってんスか…カラスなんか縁起のわリーもんが隣にいると商売あがったりッスよ、俺が行きます」

 赤崎が椿の肩から飛び降り箒を口にくわえ引き摺ってくるのを、持田は嘴で押さえ付け飛び立とうとする。

「黒猫のが縁起悪いでしょ、カラスは利口なんだよ…ちょっと椿くんの箒が破れるでしょ離して」
「そっちこそ離してくださいよ…離せ」

 先輩には敬語使いなよ、椿の使い魔の歴は俺の方が長い、という言い合いが始まって椿は箒の柄を掴んだ。

「俺の使い魔さんは二人とも優秀ッスから縁起なんて悪くないッスよ、」

 箒をしっかりと掴んだ椿はふにゃりと笑った。意味がわからないと暫く呆けていた二人に椿は箒に跨がってフワリと宙に浮く。

「あれ、二人とも…早く乗らないといっちゃいますよー」

 性懲りもなく緊張感の無い笑顔を向けられたので赤崎も持田も毒気を抜かれたように怒る気力を失い、溜め息をつき大人しく、赤崎は箒の柄に、持田は枝にとまり羽を休めた。



(120312)
やらかした!前々から魔女宅のパロやりたいとは思ってたのですが、もう既にやられてる素敵文書き様や絵師様方がいらしたので、諦めてたのですが、今日魔女宅見たらむくむく妄想が溢れだして…さらにこれは魔女宅パロにすらなってない、妄想が!となったので、なんならもう別の形にしようと思いまして書きなぐりました。ログとかに置こうと思ったんですけど…パロだし…内容酷いし\(^^)/恥ずかしくなったらおろします\(^^)/
使い魔の黒猫赤崎とカラスの持田さんと男の子の魔女っ子椿です。魔女≠女子らしーので。ワンピースの下は半ズボンです。むしろカボチャパンツでも←
無駄に設定はありまして、基本魔女宅のような感じですが登場人物は今のところ
おそのさん→たつみさん
おそのさん旦那→後藤さん
で、椿は修行の身で、そこに転がり込みます。字のごとく、本当に窓突き破って転がり込みます(・∀・)
椿は魔力は幼い頃から異様に強く、使い魔二匹も扱える。(後に増えたり…はしないかなどーだろう)けど、飛ぶこと以外は5割の確率で失敗。飛ぶことはピカイチ。
とかなんとか!とにかく!これは酷い\(^p^)/お粗末様でした!
きっと続きませんし妄想では旅立ちから〜とか使い魔の件とかってのありますが\(^^)/とにかく酷い
familiarは使い魔のこと。
魔女宅パロというよりもはや魔女のオバ●ンのような\(^^)/すみません大好きでしたオ●タン

壱汰
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