※R

 身体が怠くて、でも温かくて気持ちがいい。目を開くのは億劫で、もぞりもぞりと何かが動くのが分かっても考えることをやめてとにかくシーツに身体を沈めてそのまま思考も沈めた。つもりだった。

「んやっ…」

 あまりにも急な刺激に一気に意識を浮上させられておまけに変な声まで飛び出した。目を開ければ目線の下側でふわりふわりと明るい茶髪が動いていた。

「あの…」

 俺の呼び掛けに反応して残念そうにあーあと呟いたのは持田さんで、腰に腕を回されて胸元に頬を寄せられそのままズシリと体重をかけられる。服を胸元までたくしあげられていて素肌に持田さんの体温が感じられて居たたまれない。それと、なぜだか乳首がズキズキと痛い。

「あ…の」
「せっかく悪戯してたのに」

 起きちゃうんだもん椿くん、何て言いながら痛いと思っていた乳首を指の腹で押し潰される。意味がわからなくてグイグイと持田さんの頭を押すが胸元に寝そべったまま動いてはくれない。その間にも指先で捏ねられて摘ままれる。

「なん…なんですか…持田さんっ…」

 今日なんの日だか知ってる?と、こちらを試すように見上げてきた持田さんが可愛くて持田さんの柔らかい髪に指を絡めて後頭部を押してキスをしようと思った俺は、唇の手前で寸止めされて、なんというか自分の行動が恥ずかしくなってポスンと持田さんのベッドへと体を沈めた。

「ねえー、答えてよ」

 左の乳首を指で弾きながら言うもんだから、何て言うか…可愛くない。持田さんに教え込まれた身体は既に感じてしまって、乳首なんてきっと硬くなっているんだろう。とにかく弄られ過ぎて痛い。声を出すなんて持田さんが喜ぶことはしてやらない、という意思表示のために両手で口許を隠した。
 それに持田さんはニタリと嫌な笑い方で笑って俺の額、瞼、鼻先にキスを落とす。自分を支えていない方の手は俺の首筋から胸、腹部を往復して、また乳首に触れる。肌がぞわりと際立つ。

「ねぇ、椿くん」
「っ…あっ…やっ」

 ズルリと下着を一気にずり下げられて、頭をもたげ始めていたソレをぎゅうぎゅうと握られた。

「ぬるぬる…」
「酷い…ッス」

 先端に溢れる体液を手に馴染ませて擦り付けてくる。背がぞくぞくしてベッドから反る。そんな俺にくつくつと喉元で笑ってもなお、持田さんの手は水音をさせながら俺を煽る。

「えっちだね…椿くん」

 ペロリと舌で唇を舐めてから濡れたままの片手で乳首を弄って、もう片方は舌先で触れられる。ジリジリとした熱が乳首と下半身に集まる。耐えられなくて持田さんの下半身に擦り付けると、下着の上からでも分かるぐらいに頭をもたげていて、それにグリグリと何度も押し付ける。胸への刺激はやめてほしいのかそうじゃないのか、持田さんの頭を抱えて、ぐいぐいと胸に押し付ける。やらしい、はしたないなんてものはドロドロに溶けてしまった。

「ふあっ…持田さ…もちださんっ」
「ふはっ…えろい顔」

 持田さんは俺から離れて下着のボクサーの淵に手をかける。ゆっくりとゆっくりとずらしていくのが焦れったくて上体を起こして自分の体液と持田さんの体液で色の濃くなったボクサーの布に舌を這わす。持田さんのモノを形どるように舐めあげて、股上の浅いボクサーの隙間から膨れた袋を指先で弄る。頭を押されて押し付けられつつも今度は淵に手をかけて一気に腿までおろす。すると反応を示した持田さんのモノが目前にあらわれて堪らず口に招き入れる。上顎に亀頭を擦り付けるだけで腰がゆらゆらと揺れる。頭上で持田さんが息を詰めるのが嬉しくて裏筋を舐めあげて尿道に吸い付く。持田さんの体液と自分の唾液が顎を伝ってはシーツに染みをつくった。

「美味しい?椿くん…」
「ふ…ぁ…い…」
「これ、欲しい?」

 額を押されて口内から怒張した持田さんが抜かれる。完全に勃起したそれは生き物のようにビクビクと揺れていた。数時間前にはこれが自分の中に入っていたことを思い出して、下半身が疼く。早く、早く持田さんが欲しい。
 引き締まった胸板を押して持田さんの上に跨がる。何事かと目を見開いた持田さんが可愛くて、少しだけ開いた唇に口づけて舌を捩じ込む。持田さんの腹部に今にも弾けそうな自分のモノを擦り付ける。すると持田さんがキスをしながら笑った気がして、次の瞬間舌をからめられて、腹筋ではりつめたモノを圧されて呆気なく吐精してしまった。

「っ…あっあっ……イっちゃ…」

 散々数時間前に出したおかげで、透明で少量の精液が持田さんの腹部と胸板を汚す。イク瞬間に仰け反ってしまい、そのまま膝を折り曲げたまま後ろに倒れてしまった。下にいた持田さんがシーツを擦りながら退いて、俺の両膝を掴んで持ち上げる。まだ呼吸が上がったままでうまく言葉が紡げなかったが、次にくる衝撃に備えて怠い腕を持ち上げて口を覆う。
 案の定、ローションの口を普通は使わない排泄器官の出口に入れられて胎内にローションを乱雑に注入される。そのまま息つく暇もなく中を指で抉られて熱い杭を穿たれた。
 それすらも感じてしまって自分から腰を打ち付けるほどで。注挿の度に溢れ落ちるものがいつもより多い気がして、よく考えるとそう言えばあんなにローションを塗りたくらなくとも、胎内に出された大量の精子がそのままだったことをボンヤリと思い出す。持田さんもそれに漸く気が付いたのかさらに注挿を速めてけらけらと笑う。

「ぶはっ…すっげ…ははっ…孕んだんじゃない?」
「んんっ…孕む?」

 いーね。今日孕ましちゃうなんてさ。そう言った持田さんが愛しくて、首筋に抱き付いて、持田さんの耳朶を甘噛みする。律動を止めて目を合わせてきた持田さんに、欲しがっていた言葉をとびきりの笑顔と共に贈ることにした。


貴方を愛した僕が孕む日
(うまれてきてくれて、ありがとうございます)
(はっ、言うねぇ、)


(120331)
持田さんの誕生日な話。
モチバキは本当にシリアスばかり妄想しちゃうんで、バカエロ甘いをイメージして。
そしたらなんか誕生日に←
エロに←
誕生日とか名前とか本当に知りたいですよね

壱汰
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