(R)

 なんで今こんな状況になってるんだっけ。石神は自分のベッドに腰掛け、少し下にある黒髪を指先で掬う。サラリと手に馴染んでずっと触っていたいと思う。が、今はそれどころじゃない。

「ちょっと、椿…?」
「ふぁい…」

 椿は石神のまだ萎えたモノを取り出して竿に手を添えたまま、こちらを見上げる。どう反応していいものか名前を呼んでみたが次に何を言ったらよいのか分からず黙ってしまう。するとそれを肯定と捉えたらしい椿はあろうことかそれを口に含んだ。やめさせればいいもののそのまま上から椿を見つめる。なかなか趣味が悪いと石神は薄く笑った。

「…つばき」

 初めてではない。しかし椿からすすんでなんていままでなかった。言葉で言いくるめたり、時には強引に捩じ込むことはあったけれど。

「んっ…」

 目元が真っ赤で涙も滲んでいる。そっと目元に触れるとジンワリと熱が伝わる。よく見れば耳も真っ赤だ。恥ずかしくて堪らないんだろう。
 こんなおじさん好きになっても本当、良いことなんてないのに。あーあ、と、石神は天井を仰いだ。
 自分の性欲もまだまだ衰えていないらしくしっかりと頭をもたげている。まあ好きな子にこんなことされれば、ねぇ。そんなことを考えながらもう一度椿を見つめた。


『なんで、そんなこと言うんスか!!』

 数分前の椿の言葉が甦る。怒ってたなあと額に張り付いた前髪を退けてやる。だって椿…俺とお前は、十も違うんだ。こんなおっさんなんてほっぽっていーんだよ。冗談めかして言ったが、本心だった。臆病者なんだ。本気になってこの歳で捨てられでもしたら…そんなことを考えるとああ言うしかなかった。そしたらいつの間にかこんなことにまで発展してしまった。

「っ…うわっ…」

 集中してなかったのがバレたのか、先端の穴に舌を捩じ込まれ、袋をグッと揉まれた。驚いて肩が面白いぐらい跳ねた。

「椿…」
「んっ…ガミさん…好き」
「っ…うっあ…」

 熱い吐息と甘い言葉を吐かれ、先端の窪みに溜まった液体をチュッと音をたてながら吸われる。顔にブワッと熱が集まって更には下のモノにまで熱が一気に集まって呆気なく弾けた。

「っあー……」

 ビュルビュルと椿の顔に精液がかかるのを見て興奮する。とんだ変態だ。椿を突き放そうとしようと考えているのにこのざまだ。本当は離したくない。

「ンッん…」
「悪い…椿」

 精液まみれの顔を手で拭おうとしたらその手を掴まれてあろうことか親指に舌を這わされる。ビクリと反応してしまう。ピチャリといやらしい水音が耳に響いてグイッと椿の頭を押して離す。すると顔中精液まみれの椿が怒ったように叫んだ。

「ガミさんは俺にとって…神様なんですっ!!」
「は」

 石神はなにを言われたか暫く分からず憤怒する椿を見つめていた。するとそんな石神に焦れて椿は立ち上がり、石神の肩を押してベッドへと押し倒した。そのまま口付けると石神の頬に精液が落ちた。

「つばき?」
「ガミさんは…ほんと……俺にとっての神様みたいな存在で…」
「ちょ…ちょっと待って椿」

 頬についた精液を舐めた椿の肩をグッと押して上半身を起こす。その合間に椿の顔をタオルで拭う。

「ガミさん…」
「…神様って……」

 可笑しいですかと首を傾げる椿に噴き出してしまう。神様なんてどこでそんな殺し文句覚えてきたのか。もしくは名前から浮かんだのか、どっちにしろ椿が愛しいことにはかわりない。

「こんなおじさん神様、なーんも願い事叶えてあげらんないよ」
「いーんス…神様は一緒に居てくれるだけで…あと俺、神頼みはしないッス」

 だから安心して一緒に居てくださいねと言う椿にそりゃ嬉しい限りだと、椿を抱き締めてベッドへと体を沈めた。



神サマ電波




(111004)
はい!よくわからない話になってしまってどうしようかと思ってます。もっとシリアスになるつもりがあんまり意味の無いエロによくわからない話。とりあえず神様な神さんと電波な椿が書きたくて。初のガミバキ!!なんて需要の無いw


壱汰

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