練習が終わってすぐに新幹線に乗ったのだろう。彼は少し息を切らせ真っ赤な頬をして、来ちゃったクボ。と凄く幸せそうに笑った。それだけで、玄関に尻餅を付いてしまうぐらいには動揺したらしい自分は暫くポケッと玄関に立って焦りだした彼の顔を見つめることしかできなかった。
「いきなりでしたね」
「ん、ごめん」
有り合わせのものでご飯を食べてお風呂にも入って、ソファーに隣同士に座って何をするでもなくポケッとする。椿との沈黙は中々気持ちの良いものだけど会話はもっと気持ちの良いものだと気付いたのは何時だったか。そんなことを考えながら言うと謝罪の言葉が帰ってきてしまって、言葉を間違えたかなと考えて、次の言葉を椿の手の甲を撫でてから口にした。
「椿が来てくれて嬉しい」
椿が吃驚した顔をしていたので、また間違えたかなと思ったがそうではないらしく、至極嬉しそうに笑った。
「クボは直球だなあ」
「そう…かな」
そうだよ。と、椿は肩に頭を預けてきて手に手を絡めてきた。
「椿…?」
「最初は椿選手だったのにね」
敬語は直らないけどと笑った椿に癖なんですとため息をつく。そんな俺に椿はまた笑ってて、振動が伝わる。
「…大介、くん…キス…しましょうか」
「はは…どうしちゃったの…名前」
「えっと、名前呼びたいなって…あとしたくなって…わはっ」
名前ってなんかくすぐったいねと言う椿の手を握り返して顔を顔に近づける。大きな瞳がジッと此方を見ていて胸がキュッとなった気がする。
「は、るひこ、くん…しないの」
ニッと笑った椿の顔が近くて可愛くて、手を握っていない方の手で椿の頬に触れる。
「大介くん…しても…い、」
聞こうとした言葉は椿の唇に塞がれてすぐに離れていった。惚けた顔でもしていたのだろうか、椿は声を出して笑っていた。
「つ…ばき…」
「あはは、クボってば…呼び方」
「椿こそ…」
あ、本当だと笑った椿の唇に今度は長いキスをする。するとさっきまで笑ってばかりだった椿は今度は耳まで真っ赤にしてて、真っ赤と呟いた途端、頭が胸に突っ込んできてむせてしまった。
「けほっ……椿?」
椿はグリグリと頭を擦り付けてきて今度はくすぐったくて笑ってしまう。
「…もう一回、しよ…大介」
キス ミー
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拍手ありがとうございました!クボバキです誰がなんと言おうがっクボバキウッウッ(´;ω;`)
難しいけど好きですクボバキ。
壱汰