(R+モチバキ(モチ))


「なっ、なんでこんなことになるんスか」

 俺は目の前でニンマリと笑う持田さんにそう訴える。声を大にして言わなければこの状況に泣き出して走り去ってしまうと思った。というか逃げようものなら目の前の獣じみた瞳を向けた彼に、それこそ食べられてしまう。

「何言ってんの縛ってるの椿くんじゃん」

 薄い唇をニィッと横に引き伸ばし楽しそうに笑う。両方一糸纏わずという格好でしかも持田さんが言うように、自分は彼の両腕を紐で縛っているという状況で。ベッドに座った持田さんの足跨がっている状態で、彼の足が開く度に自分の足も開脚されるわけで、所謂恥ずかしい格好で涙が溢れてきた。

「ほら、泣いてないで早くしなよ、」

 持田さんが足を開く度に自分の下肢が持田さんの腹部に近付く。というか全体的に持田さんの方に近付いてしまって、腕を縛る指先が馬鹿みたいに羞恥で震える。

「俺Mの気質あんのかもーてか二人ともMだとあれだからさ、今日くらいSになりなよ」
「おっ俺はっSでもMでもないです普通です!」

 いきなり訳の分からないことを述べてきた持田さんにいよいよ涙が零れた。それを見て含みのある笑みを少し下でした後、舌で顎のラインをベロリと舐めてきた。ビクリと反応して逃げを打ち顎を上に反らせたのがいけなかった。ガブリと首筋に噛み付かれた。

「ひっ」

 短い悲鳴の間に首筋に歯形と鬱血痕を残し下から上に舐めた。首筋を押さえて身体をひくと、持田さんが悪びれることなくにたりと笑っていた。

「…今さら普通ぶっちゃうんだ椿くん…この状況で」

 今の状況は絶対何て言うか持田さんがっ。と些かパニック状態に陥っていると、持田さんがまた爆弾を投下してきた。

「よし、目も見えなくしてよ、」

 椿くんドンクサイからさ。丁度いい。と言って、あれ。と顎でしゃくられた先にはタオル。一瞬思考が停止したがええいもうどうにでもなれと、タオルを取って持田さんの視界を塞いだ。

「うっわー、ウケるっ!椿くんに犯されるっ」
「っ、どうして欲しいんスか」

 あ、なんかその不機嫌さ丁度いいや。なんて暢気なことを言われて顔から火が出そうになる。持田さんは、やることは一つしかないでしょと言って、ベッドへと身を投じた。勿論俺も抱き締められたままで。持田さんを押し倒すような格好でおさまった。

「椿くんの当たって痛い」
「っ、じゃあ人のお尻に押し付けるの…やめてください」

 そりゃあ興奮するでしょうと笑う持田さんは縛られた両腕を頭上にかざし、来なよ椿くんと甘い声で囁いた。その声に脳がとろけた様な感覚に陥り、どうにでもなれと、持田さんの唇に唇を押し当てた。

「ンッ…ふは、いつくるかわかんね…んんっ、」
「ンン…ふぁっ…持田さ…」

 角度を変えて何度も舌を差し入れ、いつも持田さんがやるみたいに口腔で舌を動かす。絡めてきた舌を吸い一旦キスをやめて持田さんを見ると、口端からどちらのか分からない唾液が垂れ、些か呼吸も上がっていた。いつもと真逆の立場に少しずつ自分も興奮してきた。
 口端の唾液をベロリと舐めあげると身体がヒクリと震えて、そのままお構い無しに首筋から胸まで舌を這わす。逞しい胸板に手を這わし、まだ反応していない胸の突起を口に含む。

「ちょっ、つばき…くん?…そこ、やなんだけど」
「俺にはいつもするじゃないですか」

 片方を舌でくにゅりと転がしたり、つついたりして、もう片方を指先で捏ねる。

「う、あっ…ちょ、いてぇ」
「…痛いんスか」
「んっ…ふ…ぁ」

 痛いって言ってる割には随分な声を出すから頭がクラクラする。持田さんが凄く可愛く見えて、俺、Sになっちゃったのかも。とか思ってしまった。もっとやりたくなるけど、痛いならやめておこう。こうやられると自分は気持ち良すぎて、普通に挿入されたりするより、好きだったりするのだが。こんなこと絶対に持田さんには言えない。最後にキツく吸ってから離れると、胸の突起は赤く色付いていて、何故だか自分が赤くなってしまった。自分のモノも既にはち切れんばかりになっていて些か痛い。

「ねー、次は?」

 何をそんなに嬉しそうにしているのだろうか。ムッとして持田さんの下腹部におりる。少しだけ持田さんのを見てビクリとしたのが伝わったのか、持田さんはウケルッと笑った。

「うっるさいです」
「うあっ、」

 パクりと口に含んで手と舌でしごくと、ビクビクと身体が跳ね爪先に力が入ったのか布を擦っていた。口腔に命一杯に頬張ると持田さんの我慢していた液体が広がる。鼻にツンと苦味が抜けて勝手に涙が溢れた。

「ひもひい…れすか、」
「っ…あー、うん、」

 どんどん溢れてくるのは気持ち良いってことだよなと、懸命に舌と手を動かす。

「くっあ…やば、椿くん、でるっ」
「ふぁいっ」

 口でいつも受け入れてくれる持田さんに習って、再度くわえ直そうとしたらいきなり額をグッと掴まれて、ちゅぽっと変な音を残して口から離れた。

「うっあ…は」
「んうっ?…うひゃっ」

 ピシャリと自分の顔目掛けて持田さんの精液が飛んできて、避けようにも何かに顔を固定されて動けない。ビュクビュクと止まること無く顔に振り掛けられて窒息しそうになる。漸く頭を解放された時には顔中、持田さんの精液まみれで、暫く呆然とした。

「ぶっは、すっげー椿くん、やっらしっ」

 横からかけられた声は持田さんのもので、精液まみれのまま持田さんを見ると、手の紐も目を隠していたタオルも全て無くなっていて、腹を抱えて笑う持田さんだけがいた。状況が判断できなくて首を傾げると持田さんがさっきのタオルで俺の顔を拭いてくれた。去り際に耳元で、顔射ご馳走様と囁いてにたりと笑った。

「どうだった?俺のえーんぎ」
「えっ、はっ?演技?」

 ジリジリと寄ってきた持田さんに手を引っ張られ、ベッドにうつ伏せにされる。頭を押さえられて下肢を挙げさせられてまさかと思った瞬間には、ローションを孔の中に塗り込められた。

「うっやっ…やっ…だ」
「なに考えてんのさ、俺が掘らせるとか思った?」

 そういいながらズグリと指を強引に捩じ込まれ、言いたい事が一つも声になって出てこない。ローションが泡立つくらい中をぐちょぐちょと水音をさせながら抜き差しを繰り返す。いつの間にか気付いたら自分はイっていたようで、それを嘲笑う持田さんの声が聞こえる。

「椿くんヤらしいね。穴犯しただけでイクとか、淫乱ー」
「っ…はぅ…んくっ…も、ちださ…だって、声だし…てた」

 負けじと先程の持田さんだってと反論したつもりだったが、次の言葉にもう泣くことしか出来なかった。

「そりゃ、椿くん好きだし、椿くんに反応してただけだし」
「な……んで、いまそんなこと」

 持田さんは狡いと後ろを振り向くと、にまっと笑った持田さんが視界にとまって直ぐにチカチカと視界がスパークした。何も言われずに奥まで一気に挿入された。

「やっぱ犬みたいに…やんのがっ…一番…気持ちいい」
「やっ、うぁあっ…ひ、アッ…持田さっ…ひどっああっ」

 挿入された瞬間イってしまいシーツに二度目の精液を撒き散らした。それでも許してくれることはなく砕けた腰を強引に立たされガツガツと中を抉られる。肉壁に当たる度に裏返った声が響いて嫌になる。

「あっあっ…ひっ、」
「あー俺やっぱSみたい。椿君が泣いてっとすっげえ興奮するもん」

 片腕で腰を抱えられもう片方の手が胸の突起に伸びてきて、いよいよ、子どもみたいに喚くことしか出来なくなった。

「やっ…やめ…んっんっ…頭…おかひく…っああ」
「っ…きもちー…やっぱ椿くんに挿れんのいいわ」

 持田さんは後ろから覆い被さるようにしてきて、逃げをうっていた両手に手を重ねてきた。律動が繰り返され、持田さんの熱い息が首筋を掠め次に噛み付いてきたので、それだけで触られてもいない俺のモノはだらしなく三回目の精液を吐き出した。それに収縮したのか持田さんも内側に熱い液体を吐き出して、それにヒクリと身体が痙攣を暫く起こしていた。数回に渡って吐き出した持田さんは、全て吐き出してからそのまま後ろから倒れかかってきた。足をからめられ横向きになりそのまま抱き締められる。

「っ…抜いて…から、寝てください、よ」
「はは、いーじゃん、ケチ」

 椿くんと俺って何だかんだ言って相性いいから困るよねぇとピッタリ密着したままの持田さんが俺の胸の突起に手を這わしながら言う。律儀に反応する身体が本当に嫌になる。

「知ってた?乳首感じるってことは、掘られる素質あるんだよー」
「しっ…らな…あっん…」
「あんって…どこのAV女優…」

 くくくっと後ろで笑う持田さんの手は休むこと無く突起を触ってきて、言葉が紡げず唇を両手で押さえた。

「そんなことしても、ドMな椿ちゃんは、あんあん鳴いちゃうでしょ、」

 どこがM気質なんですかという科白は、持田さんが言った通りのものに変わってしまった。



の相互関係



(110218)
すっすみません。やらかしました。
モチバキモチです。
持田さんて妙に色気あるよなってとこからこんなっ。持田さんを喘がせたいって椿が。←
しかし壱汰はモチバキが好きすぎまして。
というか椿の淫乱さ尋常でない。
いやもっとこうデロデロなの書きたいのですが文才ほしいなあ。


壱汰


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