※R擬き


「犬同士仲が良くて飼い主としてはとても嬉しいよ」

 どこから湧いてでたのか、いきなりの傍観者に言葉が全くでなかった。無意識に自分のジャージで椿の尻ごとあらぬところも隠すことを忘れなかっただけ誉めて欲しい。
 所謂、対面座位って奴で、椿の後ろにはドアに凭れて此方を見る王子がいた。椿は俺の首に腕をかけたまま硬直している。

「おっ王子っ…ちょ、閉めてください何普通にみてんスか!!」

 やっとのことで出た声に椿がビクリと震えた。下手に動けやしない。さぞ間抜けに見えているのか王子は口元に深く笑みをつくっている。

「僕は、飼い犬の交尾しかみてないよ、ザッキー」
「こっ…うび…なんて、してないッス!つーか早く閉めてくださいっ」

 鍵はしめた筈なのにと思考を巡らせたが、すぐに、更衣室のドアが壊れてるとかなんとか誰かが騒いでいたことを今更ながらに思い出して冷や汗が背を伝った。

「えー、なんでさ…飼い犬の交尾は飼い主の立ち会いの元行われるべきだよ」
「なっ…なに訳の分からねーことっ。つか犬じゃねーし!!」
「ざっ…きさ…うごかなっで…」
「っ…」

 耳元を椿の苦しそうな声と吐息が掠めて顔が身体が一気に熱くなった。

「あはは、ザッキーの百面相見れたから今日のとこは許してあげるよ」

 二人とも犬なんだからバッキーの今の格好で普段はいるべきだよね。といらぬ見解を投下してやっと部屋を出ていった。
 暫く呆然としていたが耳元で鼻を啜る音がして引っ付いていた椿の身体を離し顔を覗き込んだ。案の定、目に涙を溜めた椿がいて悪かったと呟いて頭を撫でてやる。

「悪い…こんなとこでやるなんてな…」

 鍵が壊れてんの気付かないくらい余裕無かった。そう囁いて椿の額に唇をおしあてた。

「ざ…きさんは悪くないッス…」

 またコイツは。誰がどう見たって俺が悪いに決まっているのに、自分を悪いという。気が弱いやらチキンだけじゃ言い表せやしない。いや、お人好しとかいうのか。なんにせよ、百パーセント俺が悪いのに椿にこんなことを言わせている自分に本当に嫌気がさす。
 なんで。と、呟いた声音が恐かったらしく椿をビクつかせてしまった。

「え、あ…だって…ザキさん…俺が誘ったって」

 だから俺が悪いんです。と眼も鼻の頭も真っ赤にしながらいう椿に、そんなことを言ったなと先の自分を罵った。

「あー、お前が悪いんじゃねーよ、俺が…堪え性ないんだ」
「堪え性…?」

 コトリと首を傾げる椿に目眩を覚えた。

「っ…お前がそうやって…無意識なの分かってんだけど…」

 無理みたいだ。そう椿の首筋に顔を埋めながら呟くと、椿が体内で感じ取ったであろう質量の増加にこれまた無意識であろう、腰にくる声で啼いた。

「ひゃ…ざき、さっ…」
「わり…終わらしてからお前の身体洗ってやるし、食いたいもん買ってきてやるし、王子に口止めもしにいくからさ…」

 我慢するの放棄していいか。と情けなくも椿の耳元で懇願した。



待て。なんて出来ません




(101124)
なんというデバガメ王子(^q^)
天然誘いっ子な椿と堪え性がない赤崎を書きたかった!!そして王子を書きたかった!!
犬の交尾というニュアンスで。うん。ね。←
書きたかったんだ凄く(^q^)
つか犬の交尾に対面はないだろっ(キッパリ)
いや、しかし拙宅のザキバキはようヤるな(^q^)
夜中な設定かな。椿がまた一人で自主トレしてんの待ってた赤崎とか。そしたらなぜそんなことに(^q^)

壱汰

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